MAG2 NEWS MENU

月1000万売れるガトーショコラ、ヒットの秘密は「パッケージ」にあり

月に1000万円売り上げることもあるという高級ガトーショコラや、中身は大して代わり映えしないのに毎年コンスタントに売れる参考書。これらに共通する「秘密」とは一体何なのでしょうか。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタント・佐藤昌司さんがマーケティングの観点から詳しく解説しています。

月に1000万円を売り上げる秘密は「パッケージ」にあった

商品そのものは何も変わらず、特段の宣伝広告を行わなくても、商品の売り上げを何倍にも跳ね上げることができる施策があります。重要なことにもかかわらず、意外と軽視されていることです。それは、「パッケージング」です。

マーケティングの基本的なフレームワークのひとつであるマーケティングの4Pでは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つを4Pとしていますが、パッケージング(Packaging)を4Pに続くPとする専門家は少なくありません。それほど、パッケージングは重要であるということです。

ティファニー顔負けの高級仕様

パッケージングで成功した企業は枚挙にいとまがありません。例えば、高級ガトーショコラを販売するケンズカフェ東京」です。同店は3,000円の高級ガトーショコラを販売し、月に1,000万円以上を売り上げる月もあるほどの人気店です。人気の一番の理由は美味しいガトーショコラにありますが、それだけではありません。

人気の秘密はパッケージングにあります。ガトーショコラを包む箱や手提げ袋はティファニーやルイ・ヴィトン、エルメスといった高級ブランドと同等の仕様です。さらに、高級感のある金色のリボンで箱を包んでいます。一般的なスイーツ店のパッケージングとは一線を画しています。捨てるのを憚かる程の高級仕様になっています。

パッケージングの重要性は単価の高い商品に限りません。単価が比較的低い商品でもパッケージングには注意を払う必要があります。

書籍はパッケージングで売り上げを確保している

書籍がわかりやすい例になるでしょう。たとえば、参考書は内容がほとんど変わらないにもかかわらず、パッケージングである表紙は毎年変えるのが一般的です。真新しさをパッケージングで強調することで消費者の購買意欲を喚起することができます。

遥か昔から存在する古典で今でも書籍として読み継がれているもののほとんどは、定期的にパッケージングを変えて販売されています。表紙を変えるだけで内容はほとんど変わることはありません。それでも、売り上げを確保することができています。出版社は意図的に表紙を変えているのです。

これらが示す通り、パッケージングは販売促進において非常に重要な役割を果たします。ケンズカフェ東京のように高級感のあるパッケージングができればそれに越したことはありませんが、それが無理にしても、定期的に仕様を変更するだけでも効果はあります

意外と軽視されがちなパッケージング(Packaging)ですが、マーケティングの4Pに続くPと考え、重要視するべきことと言えるでしょう。

image by: KEN’S CAFE TOKYO

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
<<登録はこちら>>

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け