米国のGoogle検索エンジンにおける「2016年最も検索された食品ワード」(2014年1月〜2016年2月の集計)が先日発表されました。トレンドに敏感なアメリカ人が関心を寄せた食べ物はなんだったのでしょうか?
「ターメリック」の検索が急上昇 アメリカ人のヘルシー志向が明らかに
Google Food Trends reportは、フーディーズ(グルメに敏感な人たち)はもちろんこと、マーケッター、プロダクト開発者、シェフ、レストラン関係者が注目するランキングです。
検索ボリュームが増えたキーワードのリスト
image by: Google Food Trends report
検索されたキーワードのトレンド傾向は大きく3つに分けられます。
Sustained Risers
過去数年にわたり着実に増加・安定しているキーワード。
ラーメン リガトーニ(パスタの一種) エンパナーダ(スペインの具入りパン)など
Seasonal Risers
季節のトレンドキーワード。
フォー チーズカード ビターメロンなど
Rising Stars
急激に検索されたキーワード。一過性的なものが多い。
ターメリック ジャックフルーツ ベジタリアンドーナッツ など。
この中でも注目したいのが、「ターメリック」。
キーワードの検索率が昨年度の11月から1月にかけて56%も突然上昇したとのことです。
下記チャートを見てのとおり、2013年頃から緩やかに上昇し始め、2016年には急激に関心を集めたことがわかります。
「ターメリック」の検索率の推移
image by: The Atlantic
ターメリックとは、インド原産のショウガ科ウコン属の多年草。
インド料理に使われるスパイスとしても有名ですね。
感染症の予防や炎症の沈静化などにも効果的です。
日本ではウコンと呼ばれています。
ターメリックへの興味だけでなく、アメリカ人が健康的になりたいという傾向が反映された検索内容も報告されています。
例えば、「ヘルシーな食材を近場で購入することができるお店」、「ロブスターの尾の調理方法」、または「アーモンドミルクが本当に健康にいいのかどうか」、といった内容です。
アーモンドミルクに至っては、390%の検索上昇率ですから、単なる健康ブームを疑問視する人も増加していることが伺えます。
前述したターメリックに関しては、YouTubeでターメリックに関する動画を参照し、Googleで調理方法を検索しているとのこと。
ちなみに、ターメリックと併せてよく検索されているワードは「レシピ」や「スムージー」「ドリンク」「ハニー」といったもの。
人気のキーワード「スムージー」
どうやってこの健康的な食材を使いこなそうか、という必死さが伝わってきますね。
しかもなぜ月曜日の検索率が高いとのこと。
やはり週明けはヘルシーな食習慣を目指そう!というモチベーションがあがりやすいのでしょう。
週末に検索率がアップする豚肉と、シアトルで高まるフォーへの関心
その他にも、面白い検索結果がでています。
- 豚肉に関する検索が多いのは週末
- デンバーやシアトルに住む人々はベトナム料理「フォー」に関する情報を手に入れようとする傾向がある
ちなみにこのような一時的な健康ブームは、昔流行った健康食材に対する現在の関心の低さをも顕著に表しています。
アメリカ人の間で以前はよく耳にしていたグルテンフリーのカップケーキ、ウィートフリー(小麦を含まない)のパンの検索回数は下降気味とのことです。
数あるスパイスの中でも、なぜターメリックがこんなにもアメリカで検索されていたのかは謎ですが、今後の新たな健康ブームの指針となりそうですね。
また、アメリカ人が健康的な食生活を欲していることはこの検索結果からも明らかになりました。
私たちが普段何気なく使っている検索エンジンも、こういった見方をすると面白い分析ができますね。
アメリカ人が今後も関心を寄せる食材のトレンドは、要チェックしておきたいところです。
Image by: Shutterstock
Source by: The Atlantic, Google Food Trends report
文 / 臼井史佳