ほんの数十年前までは、海外で寿司が食べたいと思っても、本格的な日本の寿司にありつけるのはなかなか困難の道でした。しかし、今では海外でも回転寿司を見かけるようになりました。色々な回転寿司チェーンがありますが、日本でもおなじみの「無添くら寿司」が米国で人気だそうですよ。
回転寿司業界2位の「くら寿司」が好調
SankeiBizよると、いまや日本における回転寿司の市場規模は5900億円にものぼり、寿司業界全体の4割を占めています。
外食産業が不況と言われる中、成長を続ける回転寿司市場。
これまで「回転寿司」といえば、安いけど味は期待できないというイメージを持たれがちでしたが、現在ではクオリティも上がり、各社は「独自のユニークさ」を次々と打ち出しています。
その中でも、ひときわ元気なのが「無添 くら寿司」です。
1977年に創業し、1984年に回転寿司を始めた「くら寿司」は、店舗数はいまや国内368店を数え、海外にも米国10店、台湾4店を持っています。
収益は好調で、今年6月に発表された2015年11月~2016年4月期連結決算は最終利益が前年同期比19.8%増の23億円。
大手回転寿司チェーンの中では、「あきんどスシロー」(売上高:約1,350億円 / 2015年度 9月期 )に次ぎ、「くら寿司」(売上高:約
そのあとに「かっぱ寿司」(売上高:約803億円 / 2016年度 3月期)が3位となっています。
売上高(前年比9.5%増)、営業利益(前年比27.7%増)ともに堅調な伸びを維持しています。
そんな「くら寿司」では、化学調味料・人工甘味料・合成着色料・人工保存料を一切使用していない無添加が特徴です。
また、オリジナルの寿司キャップ「鮮度くん」やテーブルに空き皿の回収ポケットを設けるなど清潔さもうり。
空気中のウィルスから寿司を守る「鮮度くん」
お得感のある高級ネタや斬新なアイディアやサイドメニューの豊富さ等で人気を集めています。
記憶に新しいのは、累計300万杯も売れたという「すしやのシャリカレー」シリーズがあります。
子供から大人まで。寿司を味わうアメリカ人の姿が
その「くら寿司」ですが、国内だけではなく、米国においても人気のようです。
米国の店舗では、1皿 2.25ドル〜とリーズナブルな価格で楽しめます。
常時130種類以上のメニューを取り揃え、寿司だけでなく小皿料理から麺類まで魚が苦手な人でも楽しめるメニュー構成となっています。
QSR Webによると、これまではアジア系移民の多い西海岸カリフォルニアに進出してきた「Kula Sushi USA」ですが、トヨタ自動車のアメリカ本社のあるテキサス州プレイノに今年5月に新規出店したばかり。
Yelpのレビューによると、「Kula Sushi USA」の姥 一社長の言う「高速レーン(ハイテク・デリバリー・システム)」がアメリカ人を魅了しているようです。
最初に米国西海岸に出店したことで、シリコンバレーもあるこの地域に多いテッキー(Techie / テクノロジーオタク)な人々にこの革新的なシステムがウケたのでしょう。
ちなみにカリフォルニア州にある第1号店はオープンしてからすでに10年がたってるとのことで、着実にアメリカ人の客の心をつかんできたのです。
これは単なる、”コンベアに乗った寿司が自分のテーブルまでやって来る”というレベルにとどまらず、ICチップが埋め込まれた皿を管理することで、客の注文情報収集だけでなく、料理の鮮度管理まで行なわれているという先進性が注目されたということではないでしょうか。
これに加えて、自分の食べたいものがコンベア上にない場合、iPadから注文し、ものすごいスピードで運ばれてくるレーンも人々の感心を惹きつけています。
Amazed with the ordering system. Haha.
😍😂👐 @ Kula Revolving Sushi Bar https://t.co/cwUxN5vjCK— Paul Quiambao (@paulmurphy07) 2016年7月21日
この注文システムに感激しちゃった!
Kula Sushi!!!!! pic.twitter.com/73nFT8Xicf
— Mae (◕‿◕✿) (@viamaeg) 2016年6月18日
「オーダーした寿司がコンベアを高速スライディングしてくる!」
そして大人もはしゃいで投稿しているのが、食べた皿で景品が当たるシステム「ビッくらポン」です。
景品にアメリカの忍者ブームをちゃんと取り込んでいるのがすごいですね。
image by: Yelp
if ya live in San Diego visit Kula Revolving Sushi bar it’s dope dude pic.twitter.com/7HxxHLqCfO
— elizabeth (@pulledawinona) 2016年7月20日
「もしサンディエゴに住んでるなら、くら寿司に訪れてみて!最高だから!」
カリフォルニアロール!
スパイシーなエビのタコス。見た目が豪快!
こんなに食べちゃった!
寿司屋で女子会!
子供も大好き!
なんだかカラフル。しかも、わらび餅も提供してるなんて!
というように、寿司の味にも”満足”している人々は、寿司レストランのさまざまな”仕掛け”を楽しんでいる様子です。
ものすごい行列を待ってまで並んでも、レビューに5つ星をつける人たちがたくさんいます。
まさに、同社広報宣伝部の「寿司業界の枠を超えた食のテーマパークを目指したい」と意気込み狙いは上手く的中しているようですね。
今後も米国のくら寿司の挑戦はまだまだ続くようです。
(※一部記事に誤りがありましたので、修正しています)
Image by: Wikimedia Commons
Source by: QSRWeb , SankeiBiz , Yelp Twitter, Rise Up Club, 日じゃん,
文/桜井 彩香