雪と氷で作られたホテルとして世界で初めて1989年に登場したスウェーデンの『ICEHOTEL』をご存知ですか? これまで冬季の数ヶ月限定の操業でしたが、年間を通じて泊まることができるエリアが新たに「ICEHOTEL365』として、2016年11月にオープンしました。地球規模の気候変動を受けてビジネススタイルも変化しているようです。
すべてにおいて”COOL”な空間を365日間提供
ホテルのエントランスはこんなかんじ
スウェーデン北部、ユッカスヤルビ(Jukkasjärvi)という地にある『ICEHOTEL(アイスホテル)』。近くのトルネ川の氷と雪を使って創造的なオブジェとスタイリッシュな部屋がアーティストによって作られることで有名です。
外だけではなく、もちろん客室もすべて氷でできています!
2015年のデザイン。美しい!
2015年の部屋。氷の曲線が美しい
こちらは2012、2013年の花柄をコンセプトにした部屋
室内ももちろん氷!
2017年の部屋のデザインはこちら!
なんだか眠れないと思ったら、上から”氷”のような視線が!
この部屋の名前は「Dancers in the dark」
ひやっとした椅子に座りながらくつろぎのひととき
氷でできた階段も
アイスのシャンデリア
こちらは「アイスバー」
しっかり防寒して、乾杯!
ホテルのコンセプトはサステナブル(持続可能)
2016年の部屋には、室内に巨大な象も
雪や氷のない夏季や秋季でも、728枚のソーラーパネルと2000万個のアイスボールを使って室温は−5℃に保たれているそうです。
ですから、外が快晴であっても、中は冷え冷えというわけです。
創業者のYngve Bergqvist氏
通年のホテルを開業した理由を創業者であるCEOのYngve Bergqvist氏は、「冬がだんだん短くなってきていることが調査で分かったので、今後の環境に対応できることを考えついたのです」と話しています。
確かに南極でも氷河がどんどん小さくなり、北極海でも海が凍らないエリアが増えてきているようですよね。
ダンプカーで雪を集める様子
ホテルの製作をスタート!
細かい作業がもとめられる”ホテル作り”
アイスホテルを作っているところ
ホテル近くでは、トルネ川を照らすオーロラも観測できる!
ここは夏の間(5月と6月は特に)ほぼ太陽が沈まないため、部屋のエネルギーは真夜中の太陽(白夜の太陽)でまかなえるのです。
このホテルは氷の彫刻がすばらしいことでも有名なのですが、夏の時期に訪れた場合は自分たちで彫刻することもできるそうです。
まぐまぐ編集部の取材によると、今年は15カ国から68人のアーティストが部屋とアートの制作にたずさわったということです。
ちなみに、ICEHOTELおすすめのお土産は、アイスホテルの写真をまとめたカタログ『The Art & Design catalogue』だそうで、こちらはらホテルで購入することができるそうですよ。
「お客様のために、人生の中で豊かな瞬間を作り出すこと」が今後の目標というICEHOTELですが、こんな風変わりなホテルを選んだら、一生の思い出になること間違いありません。
真冬のコートを持って、こんな忘れられない体験をしに出かけてはいかがですか?
source: Martin Smedsén, Kristian Mattiasson, Paulina Holmgren , Asaf Kliger / ICEHOTEL and ICEBAR BY ICEHOTEL
image by: Asaf Kliger/ICEHOTEL and ICEBAR BY ICEHOTEL
文/桜井彩香