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【書評】4つの条件を揃えよう。会社員でも大学教授になる方法

キャリアアップを目指すビジネスマンにとって、「大学教授」という選択肢は魅力的なものですよね。しかし、そもそもどうすればなることができるのか…、そこでつまづいてしまう人もいるかもしれません。今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では、大学教授公募に100回以上落ちた末にその職を手にした著者が、自身の体験談を綴った1冊が紹介されています。


ビジネスマンが大学教授、客員教授になる方法
中野雅至・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

こんにちは、土井英司です。

ライフシフト』を読んだことがきっかけで、新たなキャリアの可能性を模索し始めた…という方は結構多いのではないでしょうか。

ビジネスパーソンで、そこそこ成果をあげた人におすすめなのは、何と言っても大学教授

自分の知恵を残し、かつ知的好奇心が満たせて、社会貢献もできるという、金儲けに飽きた人にはもってこいのキャリアです。

本日ご紹介する一冊は、その大学教授になる方法を、兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科教授の中野雅至(なかの・まさし)さんがまとめた一冊。

著者は、官僚から大学教授になった方のようですが、公募で大学教員に挑み、100回以上落ちた末、大学教授になったというチャレンジャーです。

本書は、そんなチャレンジャーな著者の体験をもとにした、大学教授になる方法。

求人の探し方や、狙い目の大学の条件、さらには教授になるための論文の書き方まで、じつに細かく書かれています。

本書の知識をベースに、ネットで詳しく調べれば、きっとチャンスが掴めると思います。

さっそく、気になる内容をチェックしていきましょう。

今や実務家出身教授は主流となりつつあり、それだけサラリーマンから大学教授に転身しやすくなっている

大学教員の採用は、今や、コネより公募が主流

独立行政法人の科学技術振興機構が「この大学が募集していますよ」というように求人情報をサイトで流しています(中略)より正確に言うと、「JREC-IN(研究者人材データベース)」というものがあって、研究職を希望する求職者情報と、大学や研究所が出す公募情報をそれぞれデータベース化していて、ネットを通じて流している

日本の場合には博士号の有無は決定的な要素にはなっていません

<オーソドックスケース>
オーソドックスなのは、ビジネスマンとして実績を積みながら、さまざまな雑誌などに論文を発表しているというケースです。ビジネスマンとして十年以上の経験があることに加えて、業界誌や学会誌に論文を発表しているような場合、大学教員に転職できる可能性が俄然高まります

<鉄板ケース>
まず、十年以上のビジネスマンとしての実績です。これは、必須の前提条件ですこれに加えて、(1)博士号の取得、(2)論文、特に学会誌に掲載される学術論文、(3)学会活動への参加、(4)学会活動を通じた人脈形成、の四つがあれば完璧

学びたい分野ではなく、実務経験の生かせる分野を選ぶ

研究者層の分厚い分野は避けるべき

実務家しか扱えない分野に応募すると、非常に有利

知名度の低い大学を選ぶ

非都市部の大学を選ぶ

新設の大学・学部を狙う

◆学術論文
仮説→先行研究→実証方法→結論という四つがきちんと示されているかどうか

◆先行研究の調べ方
(1)ネットか書店で参考文献を探す
(2)参考文献が豊富な新書を選んで読む
(3)新書の参考文献の中から「選書」を選んで読む
(4)ハードカバーの学術書を借りて読む
(5)選書や学術書に掲載されている学術論文を読む

大学教授になるための手続き情報は、知っている人は知っていると思いますが、本書の丁寧なところは、学術論文の書き方先行研究の調べ方までまとめてくれた点だと思います。

新書で1,100円は高い気もしますが、著者の労力と情報価値を考えると、安い買い物だと思います。

新たなキャリアの可能性を模索する方は、ぜひチェックしてみてください。

image by: Shutterstock
 
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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

 

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