世の中にはさまざまな、そして数多くのコンサルタントが存在しますが、相談する側の私たちとしては、何を基準にセレクトすればいいのか迷ってしまうところ。そんな中、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、かつてのご自分の「恥を忍んで」、信用してはいけないコンサルタントの見分け方を記しています。
こんなコンサルタントは信用するな!
クライアントの獲得に躍起になっているコンサルンタントほど始末の悪いものはありません。
僕がまだコンサルを始めた頃です。恥を忍んでお話します。
集客相談110番、というキャッチコピーのチラシを撒きまくってみたり、1日100件、業種問わずテレアポをしまくり「あいさつに伺いたい」とか、FAXDMを使って1,000件以上の企業や店舗に「無料相談受付中」と送信してみたり、結果はお察しのとおり、全滅でした。
運良く、1人2人と会えたとしても、とにかく契約してもらうことしか頭になく、必死でクロージングしていました。「今契約してくれたら、1ヶ月無料でやります」「この提案を受けてくれたら、あれもこれもやります」みたいな。ほんと、馬鹿です。
いくら無料でコンサルやりますからといったところで、どこの馬の骨かも分からない人間に相談なんてするわけがありません。そんなことすらわかっていなかったのです。今考えると、恥ずかしいを通り越して、恐ろしいです。
僕自身がそうだったように、クライアント獲得に躍起になっているコンサルタントは、完全に自分(自社)のことしか頭にありません。そんなことで、クライアントの相談になんて親身に乗れるわけがありません。ましてや、アドバイスや提案、提言などができるはずもないのです。全てが自己中なのですから。
現在、コンサルタントという肩書きの人はたくさんいます。経営コンサルタント、マーケティングコンサルタント、営業コンサルタント、webコンサルタント、はたまた美容コンサルタント、飲食コンサルタントなどなど。素晴らしい人も無論いますが、かつての僕と同じような人もたくさんいます。
そして、中には自分の売上のためだけにセミナーを頻繁に開催したり、無料相談なんてことをやりまくっています。見込み客⇒顧客化への流れを仕組みにしていると自慢気に語られたことも数知れず。つまり、仕組みといえば聞こえはいいですが、要は顧客獲得に必死なだけ、だったりするのです。
また、こんなことをよく聞かれることがあります。「中久保さんは、どうやってクライアントを獲得しているのですか?」と。
そもそもクライアントという意味は、相談者という意味です。お客様という意味ではありません。相談者が結果的にお客様、顧客になっていると状態であるのです。この意味をきちんと理解していれば、クライアント獲得、という言葉自体がおかしなことであるということがおわかりいただけるのではないでしょうか。
コンサルタントという職種は、あくまでクライアント(相談者)があってこそ成り立ちます。つまり「この人にこのことについて相談したい」となったときにはじめて成り立つビジネスモデルです。そう、信頼や安心というものから「あの人だったら間違いない」とクライアント側から依頼してくるものでなくてはならないのです。
決して、獲得をしようと躍起になり、次から次へ提案し、説得し、ということではないのです。かつての僕のように胡散臭く思われるのがオチです。
常に売り込み主体で契約を迫るコンサルタントは、自分のことしか考えておらずあなたのことを考えていません。ほんとにあなたのことを考えているコンサルタントは、決して売り込みをかけない人であり、あなたの話を聞く人です。その上で、2~3はその場で、スッとアドバイスや提案を柔軟にする人です。それくらいの器を持ち、またそう感じさせてくれる人です。
セミナーや講演で自分の宣伝ばかり行い、個別相談受け付けます、という。また、成約に繋がるような講演内容で話を進め、講演後に、申し込みはこの会場でのみ受け付けます、といったようにセミナーや講演の場を「猟場」としているコンサルタントは、あなたのことを考えていません。
実際に僕も受講していくつか経験したことがあります。
一番驚いたのは、某有名、独立系コンサルタントのセミナーに参加したときです(名前は伏せます)。内容はほぼ自社の新規事業の宣伝でした。この事業に乗っかれば、あなたの夢を叶えます、みたいな感じです。で、その事業に乗っかるには年間300万円投資してくださいというもの。さらに、このセミナー会場にいる方に限り、今回は、200万で良いというものです。
「おいおい、詐欺商法とまではいわないけど、マルチに近くね? ふとん買わされるほうがまだマシや」なんて思いました。
セミナーや講演に参加している人には、「何でもいいから、何か1つでも得るものを持って帰って欲しい」という気概を持ち、それが伝わってくるコンサルタントが信頼されるのです。個別でも相談してみようか? と思われるのです。
セミナーや講演はコンサルタントのプレゼンの場ではありません。ましてやクロージングするための場でもありません。あくまで、聴講者、受講者にとって有益で有用な情報を伝える場、それ以上でも以下でも無いのです。
セミナーや講演だけでなく、メールマガジンや書籍などの情報発信型の媒体も然りです。あくまで情報を受けとった聴講者や読者が判断することなのです。コンサルタント側から迫るものではありません。
あの手この手で迫ってくるコンサルタント。いやぁ~恐ろしいです。くれぐれもご注意を。
■今日のまとめ
『契約を迫ってくるコンサルタントは信用しない。』
- 信用できないコンサルタントの特徴を列挙する
- 列挙したものを目に付くところに貼っておく