うなぎを食べると良いと言われる「土用の丑の日」。スーパーやデパ地下だけでなく、コンビニも「うなぎ」ののぼり旗が立つほどに浸透していますよね。しかし、そもそもこの「土用」とは何かご存じない方も多いのではないでしょうか? 無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、著者・須田將昭さんが「土用の丑の日」について分かりやすく説明しています。
土用の入り
「土用」というと、「土用の丑の日」や「うなぎを食べると良い」ということが思い起こされると思います。そもそも「土用」とはなんでしょうか?
「五行思想」という考えがあります。万物は「木・火・土・金・水」の5種類の元素からできている、とする中国由来の考え方です。この五行思想では四季について
・春・木気
・夏・火気
・秋・金気
・冬・水気
と割り当てます。おやおや。「土気」があまります。そこで四季の変わり目の時期に「土気」を割り当てました。
おおよそ、立春・立夏・立秋・立冬の日の前、おおよそ18日ほどを「土用」とします。つまり最後の日は「節分」です。
7月19日は太陽黄経117度で、夏土用の入りと言われる日です。立秋を挟んで、この時期が一番暑い時期です。それで「精力をつけるといいだろう」ということで、「土用の丑の日にうなぎを食べると良い」ということが広がったりもしました。
「土用」については別に夏だけのものではないのですが、一番目立つのが夏の土用、という感じですね。「節分」も本来は春夏秋冬それぞれにあるのですが、これから春になる立春前の節分が一番目立つのと同じですね。
また、「暑中見舞い」を出すのもこの時期です。土用が終わったら立秋。それを過ぎたら「残暑見舞い」ですね。
この時期は、土を司る「土公神(どくしん)」という神さまが支配する時期と言われ、土を掘り起こすような工事をしてはならない、ともされています。ただ3週間近く基礎工事にかかれないとなるといろいろ支障もありますので、「今日はやっても構わないよ」という日も設定されています。
こういった「験」を気にするかどうかは、最近では減っているかもしれませんが、例えば夏の土用だと、暑い時期だから工事は控えた方がいいということなのかもしれません。何かしらの「知恵」が形を変えたものかもしれないので、むげにできるものでもない、と思うところでもあります。
他には、「土用の虫干し」というのもよく聞きますね。衣類や書物の虫干しもそうですし、梅干しの天日干しもこの時期が勧められます。みなさんは土用の時期をどう過ごしますか?
土用の虫干し…暑い時期に大掃除に近いことをするのも大変ではありますが、カビの防止などにも効果がある、とも聞きます。やはり昔の人の知恵にはそれなりに根拠があったり、効果があるものがあるわけで、謙虚に学びたいところです。
少しくらいは虫干し、してみようかな…。
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