MAGニュース
20170830_top_gandam.jpg

これ全部、70代のおじいちゃんの手作り。青森県おいらせ町の巨大ガンダム

知る人ぞ知るガンダムの聖地が青森県のおいらせ町にあります。そこは70代の男性が経営する理容室です。巨大なガンダムが鎮座しているのですが、実はこれ全部手作りなのです。なんと、制作者の鈴木さんはほぼ一人で12年間ガンダムを作り続けています。手作りの巨大ガンダムを見に現地へ取材に行きました。

 

まずは、魅惑のガンダムコレクションをどうぞ

これ全部、70代のおじいちゃんの手作り。青森県おいらせ町の巨大ガンダム

ジオング

これ全部、70代のおじいちゃんの手作り。青森県おいらせ町の巨大ガンダム

アッガイ

キュベレイ

ドム

ズゴック

 

冒頭からいきなりご紹介しましたが、これ全部、70代のおじいちゃんの手作りというのです。 一体どういうことなのでしょうか?

2時間半かけて青森県のおいらせ町へ

ある日、ジモココ編集部から不思議な依頼が来ました。

「72歳のおじいちゃんが手作りしたというガンダムの取材記事」

ちょっと待って、意味がわかりません。

添えられたお店の情報を見ると、同じ青森県内ではありますが、太平洋側の上北郡おいらせ町にあるようです。

なお、筆者はどちらかと言えば日本海側内陸の弘前市に住んでいます。間にはあの八甲田山があるので、高速道路を走っても2時間半以上かかります。いやいやいや、いつも書いている田んぼアートの田舎館村はお隣だからすぐだけど、これは遠すぎますって!

しかし、うちには父親の影響でガンダム大好き小僧になっている息子(小2)がいます。話をすると、目をキラキラさせて「ガンダム、見たい!!」とのこと。そんなわけで、家族3人でドライブがてらガンダム見物に行ってきました。

 

のどかな上北の風景に突如あらわれるガンダム!

東北自動車道からみちのく有料道路を経由して、広々とした田畑の風景を眺めながら農道を走ります。

広々とした田畑の風景をドライブ

交差点の向こうに青く太平洋が見えます。ナビはここを左折して国道338号線を走るように指示してきます。

太平洋が見える交差点を左折して国道338号線へ

 

交差点を曲がってほんの200mほどで、突如現れるガンダムカット!

ここが噂のガンダムカット!

このガンダムカット「スズキ理容」さんの敷地に、3mはゆうにありそうな巨大モビルスーツ群が並んでいました!

初代ガンダムと赤いシャア専用ザクに挟まれる筆者

なお、筆者は女性としては長身で173cmありますが、このガンダムたちの腰ぐらいまでしかありません。

せっかくなので、全天球カメラで撮影した画像をご覧ください。グルグルと回して360度ご覧になれます。

 

青森県おいらせ町、スズキ理容さんの手づくりガンダムコレクション! #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

 

作っているのは「スズキ理容」のご主人ただ一人

撮影にあたって許可をいただこうとお店の中に入ったら、金色の頭部が!

入口に鎮座している金色の頭部

その後ろのガラスケースには、プラモデルがたくさん並んでいます。

入口のショーケースに並ぶプラモデルたち

「すいませーん、写真撮らせてもらってもいいですか?」と呼びかけたところ、気さくなご主人が「どうぞどうぞ」と対応してくれました。

ガンダム像を製作しているスズキ理容の鈴木さん

ちょうど、新作のパーツの寸法を、フィギュアから割り出す作業をしておられたそうです。

アカツキのプラモデルを元にパーツの計算中

お店の奥のスペースは、もはや工房。

店内でパーツの製作中

この製作をしている鈴木敏美さんは昭和19年生まれの72歳。おいらせ町で生まれ育ち、父親から継いだ理容店を経営しながら、趣味でガンダム像を作られているそうです。

特にガンダムマニアということではなく、元々は胸像などのレプリカを作っていたのですが、何か大きいものをという時にガンダム作りを始めたとのこと。

60歳からガンダムを作り始めて12年間、製作はほぼ一人で行っているそうです。

初期の作品(初代ガンダムとシャアザク)はコンクリート製。
これは発泡スチロールで型を取ってコンクリートを流しこんで作っていましたが、その後、発泡スチロール製でも自立できることがわかり軽量化。

今は発泡スチロールにゴムを塗り、塗装をするスタイルになっています。

 

小学生の息子が気にいったのは、こちらの赤いサザビー2017年夏の現時点では最新作です。

サザビーとガンダムヘッド

また冒頭で紹介した「ズゴッグ」の足の塗装がはがれている部分を見ると、発泡スチロールにゴムを塗って着色しているということが実感できます。

ズゴックの足

国道338号線に面して立ち、警護しているかのようです。その背後にあるガンダムの頭、ひときわ目立つ存在感がありますが、裏に回ってみると意外過ぎる作りになっていました。

このガンダムヘッド、中に入れるぞ?

この巨大なガンダムの頭、裏側に回り込むとこんな風になっていました!

ガンダムヘッドの裏側

看板には、

「惑星でバーベキュー!!」

「ガンダムと共に焼肉パーティー」

というパワーワードが並んでいます。

たしかに、後ろにはバーベキュースペースが。食べ物は持ち込みで場所レンタル料が一人1,000ですって。

惑星バーベキューができる場所も

この壁面の絵も鈴木さんが描いているそうです。

えぇぇえ!?

 

そして、ガンダムヘッドの中には……!

ガンダムヘッドの中にはカラオケとファンノート

 

6人くらいは入れそうなカラオケスペースになっていました。天井は電飾がきらめいています。正面ディスプレイは、曲を入れない時は前方のモニターになっていました。

テーブルには歌本とマイク、リモコンの他に一冊のノートがあり、全国から訪れたファンがその感動ぶりを書き連ねています。

この日も「東京から、ここを目的に来ました!!!スゴイ!!!感動しました!」と書かれたファンのメッセージがありました。

他にも、群馬県、茨城県など、この本州最北端県の小さな町まではるばるやってきた方々の書き込みがありました。

 

観覧料はありませんが、募金箱があります

このガンダムコレクション、あくまでも個人の趣味であって、特に観覧料などは設定されていません。作品のメンテナンスや製作の費用を支援する小さな募金箱が設置されているだけです。

ガンダムの足元にある募金箱

聞けば、いま製作中の金色のモビルスーツ「アカツキ」は、表面をすべて金色のコーティングシートで覆うため、かなりの費用がかかっているようです。もちろん、わたしたちもささやかながら支援の募金をさせていただきました。

新作のアカツキは製作開始から半年ほどですが、まだまだ完成まで1年半以上かかるそうです。

これはガンダムファンならずとも大興奮のクオリティでした。ドライブ、ツーリング、ガンダムファンの聖地巡礼として、ぜひ足を運んでみてください。

 

スズキ理容
住所: 青森県上北郡おいらせ町一川目4丁目6-30
Tel:  0178-52-3841

出典元:ジモトのココロ(ジモココ)

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け