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レトロで行こう。長崎を走る「路面電車」で丸1日ノスタルジック

今もなおレトロな雰囲を残す長崎の街。その象徴とも言えるのが、市内を走る「チンチン電車」こと「路面電車」たちです。日本一安い電車としても有名な長崎の路面電車は今なお、市民の足として愛され続けています。今回は、そんな路面電車で行ける長崎の名所を案内します。長崎に訪れたらぜひ路面電車を利用してみてくださいね。

 

長崎市民の足、路面電車で市内観光を遊び尽くそう。

長崎市内には通称「チンチン電車」と呼ばれる「路面電車」が、庶民の足として今もなお高い支持を得ています。 

移動中の「ガタン、ガタン」と心地の良いレール音が身体に伝わり、出発合図や停車ボタンで「チーン」と車内に響くベル音は、乗っているだけでノスタルジックな雰囲気を味わえます。そんな長崎の路面電車に関する小ネタや観光客に便利でお得な情報を、今回はご紹介したいと思います。

 

 

オールド長崎市民なら分かる?路面電車の両替用の薬袋。

現在の路面電車の車内には自動両替機が導入されていますが、私の幼少時代の路面電車は、運転手に「両替して下さい!」と現金を手渡して両替をお願い。運転手から渡される両替は「粉薬が入っている薄手の紙」に、硬貨が袋詰されていました。

 500円玉を渡すと両替用の紙袋に「100円5枚」が入っていて、渡された紙袋をビリッと破いて運賃を準備。幼少時代は紙袋を破くのが何となく楽しみでした。

 

長崎の路面電車が持つ日本一の記録とは?

長崎の路面電車は日本一の記録を持っています。それは日本一安い乗車運賃。

2017年時点での運賃は大人一名120円、子供一名60円。乳児は無料、小学校入学前の幼児単独乗車は一人分の子供料金が発生しますが、大人同伴ですと無料など、子供と移動の多い家族には嬉しい価格帯となっています。また均一制の運賃体系なので何処まで乗っても運賃が変わらないのも魅力の一つです。

安い運賃を持続させるのは、企業努力が積み重なってこそ。様々なアイデア、知恵を絞って日々の運営に当たられているのだと思います。

 

 

乗車は混み合います。後ろから前からどうぞ。

路面電車を下車する場合、前方にある運転手横の「ドア」から降りるのですが、全ての乗客の下車が終わると前方の「ドア」からも乗車が可能です。長崎市民はごく当たり前に、ぞろぞろと前から乗り込みますが、旅行客は乗車していいのか分からず少し及び腰。

運転手も早く出発したいのと、乗客が後方の乗車口で溜まって混み合うと、次の停車駅で乗客を載せにくいため、運転手によっては「詰めてくださいー。前からも乗って下さーい」とアナウンスする事も。整理券要らずの均一運賃120円だから出来る芸当です。

 

観光客なら知っておきたい「築町電停」の「のりつぎ券」

市内観光の出発点となる長崎駅から「大浦天主堂」や「グラバー園」に向かうには、1号系統正覚寺下に乗り込み「築町電停」で、5号系統石橋に「乗り継ぎ」が必要です。

乗り継ぎ乗客は下車の際に運転手に「乗り継ぎます」と伝えると、運転手から「電車のりつぎ券」が貰えます。「のりつぎ券」が無く5号系統に乗ると別途120円の運賃が必要となりますが、「のりつぎ券」を持っていれば、乗り継ぎしても追加運賃は不要です。

ただし!裏面に書かれている通り、こんな利用はご法度です。

 

(イ)用意(買い物・観光・食事など)を済ませたあと
(ロ)日付、行き先の異なるとき
(ハ)築町停留場以外から乗車されたとき

あくまでこのチケットは「のりつぎ券」直ぐ様、向かいの停留場へ向かって乗り継ぎをしましょう。悪用してはいけません。しかし、イロハで書かれた注意事項。嗚呼、何故かノスタルジーな感じです。

 

 

お得感がハンパない!長崎観光のお供に「電車一日乗車券」がオススメ

長崎市内の観光スポットを回るには、やはり市内を縦横無尽に走る路面電車がオススメ。

運賃がリーズナブルな路面電車ですが、乗車の度に小銭を準備するのは何かと不便で面倒くさい。

そんな時は「電車一日乗車券」を購入してみるのはどうでしょうか?

「電車一日乗車券」は大人1枚500円(子供1枚250円)で、一日中乗り降り自由です。

 

販売所は観光客が立ち寄り易い長崎駅周辺であれば、長崎駅JR駅のみどりの窓口、駅ビル「アミュプラザ」1階インフォメーション、ホテルニュー長崎1階のJTB長崎支店、駅向かいにあるアパホテル、アパホテル横「県営バスターミナル」2階の長崎県物産館などで購入が可能です。

「電車一日乗車券」を買いに行くのが面倒!そんな方には「モバイル一日乗車券」も。

「App Store」または「Google Play」からダウンロードして利用が可能です。

旅行客にぜひ使って欲しい「一日乗車券」なのですが、「一日乗車券」に載っている広告をよーく見てみると、「当日現金支払いに限り」という条件付きながら、広告店舗で購入するお土産品や食事代金の5%から10%が割引などの嬉しい特典が付いています。

また「電車一日乗車券」には市内観光マップ付き。どの停留場から観光地へアクセスし易いか案内が明記されています。やはり旅行客に「電車一日乗車券」は、手放せないアイテムなのです。

路面電車で市内観光スポットを回りつくせ! 各系統別のスポット紹介

実際に路面電車で回れる市内観光スポットはどの位あるのでしょうか? 1号系統、3号系統、4号系統、5号系統の各系統別で訪問できる主な観光スポットをご紹介したいと思います。

「1号系統:赤迫-正覚寺下」の見どころ観光スポット

原爆資料館、平和公園、浦上天主堂、長崎西洋館、一本足鳥居、日本26聖人殉教の地、出島資料館、出島ワーフ、新地中華街、崇福寺

「3号系統:赤迫-公会堂前」の見どころ観光スポット

原爆資料館、平和公園、浦上天主堂、長崎西洋館、一本足鳥居、日本26聖人殉教の地、眼鏡橋、シーボルト記念館

「4号系統:蛍茶屋-正覚寺下」の見どころ観光スポット

崇福寺、眼鏡橋、興福寺、諏訪神社、シーボルト記念館

「5号系統:石橋・蛍茶屋」の見どころ観光スポット

孔子廟、大浦天主堂、グラバー園、旧香港上海銀行記念館、オランダ坂、新地中華街、唐人屋敷跡、眼鏡橋、興福寺、諏訪神社、シーボルト記念館

市内のメジャー観光地は路面電車で大半がカバーできるので、「電車一日乗車券」を片手に観光巡りをしてみてはどうでしょうか?「オススメのカウンター居酒屋」も路面電車で訪問出来ますよ!

 

 

 

鉄道ファンにオススメ。長崎の路面電車の歴史を勉強できる「長崎路面電車資料館」

1号系統、3号系統の停車場「浜口町」から訪問できる「長崎西洋館」という商業施設内には、長崎の路面電車の歴史の歩みを知ることが出来る「長崎路面電車資料館」が公開されています。

 

館内は長崎の路面電車の歴史的な写真や、実際に使用されていた車両設備の展示、車掌気分を味わえる運転手撮影セット等、鉄道ファンには堪らないグッズばかり。

ちなみに「長崎西洋館」では、路面電車の公式キャラ「ながにゃん」グッズの購入が可能です。「ながにゃん」は長崎の猫がモチーフ、やはり幸運を運んでくれる長崎名物の尾曲がり猫でした。なお「長崎西洋館」は路面電車を運営する「長崎電気軌道株式会社」の関連会社、そのため資料館は無料公開されています!

※尾曲猫記事

 

開館:11時から17時

休館日:長崎西洋館休館日に準ずる(12月31日・1月1日・5月と11月の第3火曜日)

入場料:入場無料

 

インスタ映えする路面電車型レストラン、きっちんせいじ閉店へ

路面電車で長崎観光をした後は、路面電車の雰囲気を味わいながら休憩するのはどうでしょうか。長崎市内にあるレストラン「きっちんせいじ」はインスタ映えする店構え。

なんと!店舗が路面電車の形。ドアも路面電車のドア型でドア横には停車場にある案内ライトまで設置。インパクト大のレストランです。

店内に一歩足を踏み入れると運転席や路面電車のシートを思わせるベルベット素材の座席、天井からは吊革が下がり、路面電車の写真や模型が飾られ店内も路面電車感が半端ありません。

 

路面電車で移動してレストランを訪問すると、路面電車を忠実に再現しているオーナーのこだわりが所狭しに感じられます。きっちんせいじのオススメ料理は長崎名物のトルコライス。私の世代には懐かしく嬉しい昔ながらの薄めのトンカツにカレーピラフ、具なしのナポリタンにサラダとお味噌汁付き。テーブルに置いてある手作りマヨネーズを使うのもお忘れなく。

 

実はきっちんせいじさん、残念ながら今年の12月末で51年の営業に幕を下ろす事に。もし年内に長崎を訪れるチャンスがある方は名物店舗の味を記憶に留めて貰えればと思います。本当に長い間、長崎の顔としてご苦労さまでした。そして、ごちそうさまでした。

 

店舗:電車レストラン きっちんせいじ
住所:長崎市古川町4-23
本物の路面電車の賑橋停車場から徒歩3分

人気No.1トルコライス900円

 

どうでしたか?長崎市内をガタゴト走る路面電車。

現在でも昭和25年製造の200形と言われるモデルから最新版の5000形まで、生き証人とも言える数多くの車両たちが長崎市内を現役で走っているのも魅力です。路面電車は長崎市の歴史と共に歩んでいると言っても過言ではありません。(明治車両168号は6月10日の路面電車の記念日のみ記念運行しています。)

長崎の路面電車は、夏に「ビアホール電車」冬は「おでん電車」、イベント企画では「リアル桃太郎電鉄」などアイデア満載のサービスで市民を楽しませたかと思うと、「観光寝台列車ななつ星in九州」のデザインを担当された、水戸岡デザイン310号「みなと」号が新しく運行を開始。木のぬくもりとレトロ感漂う車両は、長崎観光の集客にも一役買っているのです。

 

公式FBで運行情報など最新情報発信をしていますが、長崎電気軌道からのコメントには、公式キャラクターの「ながにゃん」スタンプが使われ、会社からフォロアーへの的確コメントの交流は見ているだけでも楽しめ参考になります。

 

公式FBはコチラから。

旅のお供に、ぜひ路面電車をご利用いただければと思います。今日も安全運転で出発進行!

 

 

ジモトのココロ

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