かつては他人に見せる場所ではなかったはずのキッチンですが、最近は「インスタ映え」などを気にかけ「見せる収納」を取り入れる人が増えているようです。しかし無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者で家事の達人・真井花さんは、この見せる収納について、「相当掃除好きな人でない限り、絶対にやめておいた方がいい」と断言しています。
インスタ映えより日々の汚れ
さて、本日は毎日の汚れのお話。
最近、キッチン収納には新しい流行が産まれているんです。それは
見せる収納
です。レードルやオタマをコンロ横の壁面につり下げたり、スパイスの容器を揃えてラックに置いたり、お皿やマグを戸のない食器棚に収納したりといったカタチです。
この、キッチンでの見せる収納が流行ってきた理由のひとつがインスタ映えです。作った料理をインスタでアップするのはもちろんですが、それを作ったキッチン自体もインスタ的にステキ♪な感じにしたいわけですね。
もうひとつの理由としては、料理家さんたちのキッチンを真似ようとしているのだと思います。料理本を出版されるような料理家さんたちの、料理の背景に映り込むキッチンがほとんどこの「見せる収納」系だからです。シャビーシックで、和モダンな感じですよね。
特にキッチン周りで「見せる収納」が使われるのは
- 調理器具のつり下げ
- スパイスラックの設置
です。イメージ出来ますよね。
これ、ほんとに片付けセミナー講師の立場からして止めておいた方がいい(´×`::)でしょう。片付けの大原則は、「しまう」ことです。すなわちフタや扉の付いた収納容器・収納スペースにモノを納めることを言うんです。外に出して「見せる」ことじゃないんですよ。
外に置いておくのではなく「しまう」のは、ひとえに外に置いておくと汚れやすいからです。これに尽きます。コンロ近くに調理器具を吊せば、炒めモノをしただけなのに使いもしなかったオタマやフライ返しにオイルが飛びます。スパイスラックをワークスペースに置けば、スパイス容器の上にうっすらホコリが被り、そこに水が反応してカビたりしかねません。
キッチンは使う度に水やオイル、その他の調味料、肉汁や野菜のクズなどが出て、どうしても汚れがちな場所なんですよ、もともと。清潔に保つために、努力が必要な場所なんです。そんな場所に外に置きっ放しすれば、間違いなく知らない間に水汚れ、オイルのハネ、ホコリが溜まって、掃除をするのがメンドクサイ(ー_ー;状態になりますから。これには、例外があります。つまり「見せる収納」をしてもいい場合です。それは、相当掃除が好きで、毎回(毎日じゃなくて)出来る人の場合です。これは例外的に「見せる収納」をしてもいいでしょう。汚れやすいキッチンを苦も無く清潔に保ち、調理器具の見え方を工夫出来る人たちです。そう、つまりプロ。すなわち、料理本を出版するような料理家さんたちです(^Д^)。彼女たちは得意なんですよ。料理だけじゃなく、料理にまつわるすべてのコトが。だから、キッチン周りで見せる収納をしてもダイジョーブなんです。
シロートはマネしない方がいい「見せる収納」。特にキッチン周りでインスタ映えを気にするのは止めておきましょう。
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