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青森のミステリーサークル、再び。今年は地元民の「足跡」に拡大

キンと冷えた雪原に浮かぶ巨大な雪の結晶。これ、すべて人の足跡によって描かれたスノーアートなのです。昨年はたった一人でつくったスノーアートが話題になりましたが、3回目を迎える青森県田舎館村のスノーアートの今年はどんなデザインなのでしょうか? 足跡の陰影がおりなす幾何学模様の美しさをご覧ください。

 

2018年は1から地元製作に挑戦!

これまでの2年は、世界でただ一人のスノーアーティストであるサイモン・ベックさんが来日して制作してきました。

2017年の記事> 青森の雪原にミステリーサークルが出現。犯人はたった1人の「足跡」

 

この制作時に田舎館村を始めとする近隣の有志の皆さんが講習を受け、2017年にスノーアーティスト集団Its’ OK.を発足。この2018年のスノーアートは、このスノーアーティスト集団Its’ OK.の皆さんの手、いや、足によって図案づくりからメンテナンスまで行われたのです。

 

スノーアート完成間近

三連休前の2月9日、田舎館村の「道の駅いなかだて」で朝からスノーアート制作が始まりました。わたしが到着した15時頃には、もうすっかり完成の直前!昨年まではサイモン氏一人で雪原を歩いていましたが、10数人のメンバーで声を掛け合いながら息を合わせて歩いている様子も見どころでした。

 

完成直前のスノーアート

 

2018年のスノーアートのタイトルは「煌めく冬(Glistening Winter)」。中央のメインシンボルは雪の結晶と星、その周辺には田舎館式土器や刺し子の模様を取り入れらています。

 

ちなみに、この会場、夏は田んぼアート第二会場として多くの観光客を呼んでいます。半年前には、このように桃太郎が鬼退治に出る雄姿が、色とりどりの稲で描かれていました。

 

見渡す限りの田んぼを有効に活用されていますね!

 

ライトアップされたスノーアートが美しすぎる

完成したスノーアートは、2月10日~12日の三連休に雪遊びやスノーアート体験ワークショップなど様々なイベントを取り入れながら公開されていました。駐車場から会場までの小道もキャンドルで幻想的な雰囲気になっています。

キャンドルとオブジェを飾ったりんごの木箱が並ぶ小道

 

わたしが訪れた11日夜は、田舎館村の子どもたちの版画や、ライトペインターハラタアツシさんのアートが展望台側面に投影されていました。

子どもの版画が影絵となって投影されている

 

 

Atsushi Harataさん(@aohpa)がシェアした投稿

 

見上げると、展望台に上るのをためらうほどの風雪です。

 

 

直通エレベーターでいっきに上ると、ちょっとだけ雪が小降りになり、ライトアップされたスノーアートがクッキリと見えました!

 

そして、また風が強くなってきました。

 

 

気温はマイナス7℃ですが、それ以上に冷たく感じます。

雨ニモマケズ、吹雪ニモマケズ

このように連休中は決して気象条件が良かったわけではありません。気温が上がっての雨、そこへ降る大雪、さらに吹雪!次々と試練が襲いかかっていました。

最終日の12日も、吹雪の中を、薄れてしまったスノーアートのメンテナンスが行われていました。

展示期間は4日間ですが、大雪や雨、吹雪もあり、何度も踏み直しのメンテナンスがされていたそうです。あるメンバーの歩数計は1日あたり2万4千歩を超えていたとか!やわらかい雪の上をスノーシューを履いて、吹雪の中をの連日2万歩を超えて歩く……。本当に頭が下がります。

 

隣の弘前市でも「冬の球場アート」を開催

さらに、今年は隣の弘前市とのコラボレーション企画も初開催。屋根が無い「はるか夢球場」のグラウンドに、スノーアートが描かれました。

弘前市のはるか夢球場入り口

 

こちらを制作したのもスノーアーティスト集団Its’ OK.、それに弘前市体育協会の方々も加わり、自治体を超えた共同事業になりました。

冬の球場アート

 

図案は弘前の有名な桜そして伝統の手芸こぎん刺しの図案が取り入れられています。手前に縦線が入っているのは、バックネット越しに見ているから。ちょっと視線を移すと、確かに野球場であることがわかります。

 

日没後からのライトアップ後はこのように。

 


最終日には図案も展示されていて、見比べることができました。

 

 

 

たった一人の足跡から津軽平野に広がって

スノーアート初めての地元製作、しかも弘前市と田舎館村の2ヵ所の製作とあって、Its’ OK.の皆さんには、相当なプレッシャーがかかっていたと思います。

冬の田んぼアートを制作するスノーアーティスト集団It’s OK.

 

たった一人のアーティストの足跡を継承して、津軽で独自に歩みはじめたスノーアート。きっと、来年もさらに美しく延びていくことでしょう。

ぜひ、その軌跡を真冬の津軽平野に見に来てください!展望台は凍える寒さですが、展示期間中には温かな地元のフードの出店も並んでいますよ。

 

かじかんだ手をあたためる地産野菜のスープ

 

 

田舎館村 冬の田んぼアート
会場:道の駅いなかだて 弥生の里展望所周辺
住所:青森県南津軽郡田舎館村高樋八幡10
TEL:0172‐58‐2111(田舎館村企画観光課)
入場料(2018年公開時):大人300円、小学生100円、幼児無料

 

 

ジモトのココロ

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