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野良犬の寝相すら自由。ナショジオ賞作家が切り取るインドの動物

先日掲載の「鼻が伸びてもドラえもん?自由なインドはツッコミどころが満載だ」では、インドの街にあふれる不思議なモノや光景を紹介してくださったナショナルジオグラフィック写真賞作家・三井昌志さん。今回は自身の無料メルマガ『素顔のアジア(たびそら・写真編)』で、やっぱり自由なインドの動物たちのフォトレポートを届けてくださいました。

トマトを盗み食いする野良牛

インドで出会った様々な動物たちの姿を集めました。かわいいものも、かわいくないものも、とにかく必死に生きている。野良牛も野良犬もラクダもサギも、日々厳しい生存競争を生き抜いているのです。

インドでは牛が神様の乗り物として大切に保護されている」というのは一面の事実ではあるけど、市場に行くと、野良牛との終わりなきバトルを繰り広げるおばさんたちを目にすることになる。売り物のトマトを盗み食いする野良牛の顔面を鬼のような形相で叩く女。それでも諦めない牛。修羅場である。

牛を使って畑を耕す男。グジャラート州の雄牛は体が大きくて立派な角を持つ「イケメン牛」だ。その力強い歩みが、乾いた大地を耕していく。

水浴びを終えた水牛の群れを率いる男。暑さに弱い水牛は、日に一度は必ず水浴びをして、体を冷やさなければいけない。巨体に似合わずデリケートな動物なのだ。

インド北西部ラジャスタン州の街道を歩くラクダ車。力が強く、乾燥にも強いラクダは、乾燥地帯で水やレンガなどの重い荷を運ぶ役割を担っている。

母犬とはぐれてしまったらしい子犬がクンクン鳴きながら近づいてきて、なぜか止めてあった僕のバイクのタイヤに体をくっつけて、すやすやと眠り始めた。

タイヤをお母さんだと思っているのかな?

参ったな、これじゃ出発できない。

こいつが目を覚ますまで待つことにした。

子犬のきょうだいが路地裏で仲良くお昼寝中。インドの野良犬の寝相は自由だ。

インドでは「その辺にごろんと寝転がっている人」をよく見かける。物乞いやホームレスもいるが、酔っ払ってそのまま路上で寝る人も多いようだ。人間と野良犬にたいした違いはない。同じように食べて、寝て、生きている。
インドの野良犬はたいていものすごく汚いのだが、なぜかこの犬はきれいだった。毛並みもよく、気品に溢れた表情で道ばたに座っていた。インドで美しい野良犬に出会うなんて、白いカラスを見つけるのと同じぐらい難しいこと。奇跡に近い。

肩にインコをのせた女性。インコが選んだカードで運勢を見る、インドではお馴染みの「インコ占い」を商売にしている。肩のインコもちょっと賢そうな顔してるもんね。

インド西部グジャラート州にある魚市場に白いサギがいた。インドには珍しく女性ばかり集まるこの市場で、魚のおこぼれにありつこうと目を光らせている。人への警戒心はまったくないようだ。

インドの街角でよく見かける山羊。逃げないようにちゃんと鎖で繋がれています。山羊ってよく見るとユーモラスな顔していますよね。二人とも笑っているように見えるし。

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【著者】 三井昌志 【発行周期】 ほぼ 週刊

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