環境大臣が指定する「国民保養温泉地」というものがあるのを知っていますか?メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者で元『旅行読売』編集長の飯塚玲児さんによれば、「国民保養温泉地」は現在全国80カ所にあり、その中の1つ、北海道のカルルス温泉では、温泉に関する資格所有者がチェックしておくべき取り組みが始まっていると紹介しています。
カルルス温泉の取り組みに注目!
日本全国に「国民保養温泉地」というものがある。案外これがとのようなものか知らない人が多いようなので、今号ではこれについて少し書いてみたい。
「国民保養温泉地」とは、「温泉の公共的利用増進のため、温泉利用の効果が十分期待され、かつ、健全な保養地として活用される温泉地を『温泉法』に基づき、環境大臣が指定するもの」である。日本で最初に指定されたのは、栃木県日光湯元温泉と、群馬県四万温泉で、昭和29年のことである。
最新の指定温泉は、平成30年5月に指定された山形県湯野浜温泉、群馬県みなかみ町国民保養温泉地(上牧、奈女沢、湯宿、川古、猿ヶ京、法師)の2つで、平成30年12月現在で全国に80カ所ある。
選定の基準は、概ね以下の通りとなっている。
第1 温泉の泉質及び湧出量に関する条件
- 利用源泉が療養泉であること。
- 利用する温泉の湧出量が豊富であること。なお、湧出量の目安は温泉利用者1人あたり0.5リットル/分以上であること。
第2 温泉地の環境等に関する条件
- 自然環境、まちなみ、歴史、風土、文化等の観点から保養地として適していること。
- 医学的立場から適正な温泉利用や健康管理について指導が可能な医師の配置計画又は同医師との連携のもと入浴方法等の指導ができる人材の配置計画若しくは育成方針等が確立していること。
- 温泉資源の保護、温泉の衛生管理、温泉の公共的利用の増進並びに高齢者及び障害者等への配慮に関する取組を適切に行うこととしていること。
- 災害防止に関する取組が充実していること。
で、ちょっと注目したいのは、昨年12月に改定された北海道カルルス温泉の取り組みについてである。環境省HPにあるPDFを見てみると、第2の(2)について、以下のような記載がある。
PDFより抜粋
写真の通り、「入浴方法等の指導ができる人材の配置」に関して、高齢者入浴アドバイザー20人、温泉ソムリエ20人が配置され、今後も計画的な増員に努めるとしている。
ちなみに僕は、温泉ソムリエアンバサダーであり、高齢者入浴アドバイザーで、しかも協会認定講師でもある。どうにも生活に困ったら、カルルス温泉に売り込みに行って働かせてもらおうかな、とか思ってみたりして。読者にも温ソムや高齢者入浴アドバイザーの人がたくさんいると思う。定年退職したら、一緒にカルルスで働きましょうかね。温泉入り放題だろうし。
まあ、そんなに甘くはないけども、趣味が高じて取った資格が、何らかの形で温泉地の活性化に寄与することができるとしたら、うれしいな、と思う。
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