「効果がなければ返金保証」という売り文句はよく耳にしますが、それをコンサルタントが口にした場合には注意が必要なようです。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者の中久保浩平さんが、そんなコンサルタントに近づいてはいけない理由を記してくださっています。
業績アップを約束するコンサルタント
「売上アップをお約束します。出来なかったら返金保証します」というような表現を使って営業をしているコンサルタント。売り文句に買い言葉、といったらそれまでですが、コンサルタントがこのような表現を使っていること自体に疑問を持たなければなりません。
こういう表現を使っているということは、
- 余程の自信があるか
- それとも顧客探しに必死になっているか?
のいずれかです。しかし、いずれの場合もあてになる確率は低いです。
本当に自信がある人はそもそもそんなことを語りませんし、顧客探しに必死になっているコンサルタントも信用できません。いうなれば「売上アップを約束します」というようなコンサルタントは、どこかで聞いたような売上アップのためのノウハウを切り売りしている場合がほとんどです。
そんなコンサルタントはコンサルタントではありません。もっというと、コンサルタントという仕事がどういうものなのか?を分かっていません。
と、このようなこのことをいうと、「でも、実際にコンサルタントは色々なクライアントを成功に導いているのでしょうから、売上アップのノウハウくらい蓄積されてるから問題ないのでは?それにノウハウが有益なものであれば、それで良いのでは?」なんてことを思われるかも知れません。ですが、それこそ術中にはまっているということなのです。
コンサルタントがノウハウを売るというのは、常套手段です。その後の契約に結びつけるためにあるのです。つまり、コンサルタントの都合で物事を進めているということ。そのようなことで、クライアントの課題に真に向き合うことはできません。
売上アップのノウハウやテクニックなんてものは諸刃の剣。打ち上げ花火を上げてパッと散るだけのものです。そのノウハウどおりにやってみて本当に売上がアップする、というのはほとんどありません。あったとしても、極々わずかです。しかも、そのわずかな成果も一瞬のうちに終わるのです。
「売上アップを約束する」というのはお門違いもいいとこで、真のコンサルタントが語るものではありません。コンサルタントの仕事は、あくまでクライアントの抱える問題や課題に対して真正面から向き合い、その原因の本質部分を浮き彫りにして、問題や課題解決のための策を講じ、そのためのアドバイスやサポートをしていくためにあるのです。
たとえば、売上が減少している会社があれば、「売上アップをするためにこうしましょ。それには、当方で培ったこのノウハウが使えますよ」というのではなく、
- 売上が減少している原因はどこにあるのか?
を現場、管理職、トップ、それぞれに取材を繰り返す。時にはクライアントの顧客にまで足を運ぶ。そうやって「まずは抜本的な原因がどこにあるのか?」を探すことから始めます。
そこからクライアントと共に仮設を数パターン立てて、その仮設に対する施策を共に構築して、実践ベースでのアドバイスやサポートをしていきます。その結果、売上が回復したり、アップしていくというものです。
しかも、付け焼刃的な解決ではないため、クライアント自身、自力を養うことになり、もうコンサルタントが必要ないというレベルにまでなっていきます。これが本来の正しい姿です。
ということで、「売上アップを約束する」というような表現を使っているのは、コンサルタントの営業における常套手段であり、ノウハウを切り売りしているというだけのこと。さらには、そのような表現を使っている時点で、クライアント視点ではないため、抱える問題や課題の本質にまで辿りつくことができないということです。
あくまで結果を出すのはクライアント自身、コンサルタントはその伴走者に過ぎません。そのことを十分に理解しておく必要があります。
■今日のまとめ
「売上アップを約束するのはコサンルタントの常套手段」
- コンサルタントはあくまでクライアントの伴走者である。では、自分はお客様にとってどのような立ち位置であるべきか?を社内で話し合う
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