MAG2 NEWS MENU

「お前は寄生虫だ」パワハラ横行のかんぽ生命の呆れた実態

日本郵政の長門正貢社長は18日に記者会見し、子会社かんぽ生命保険の不適切販売問題への経営責任について「経営陣全体で大きな責任を感じている。しかるべきタイミングで改めて発表する」と述べ、辞任検討を示唆したと時事通信などが伝えています。報告によると、内部調査を進めてきたおよそ18万3000件のうち、これまでに14万8000件について顧客の意向確認が終了。このうち、法令や社内ルールに違反する疑いのある販売が1万2836件確認されたということです。また、この中で670件を法令・社内規定違反と認定。被害者の7割超が60代以上の高齢者で、85%が女性だったことがわかりました。過大な営業目標が不正を誘発し、「社内で黙認される風潮があった」と指摘しています。

日々パワハラが横行するかんぽ生命

「顧客に迷惑と心配を掛け、深くおわびする」と記者会見で陳謝した長門社長。しかし、報告書では、営業目標の達成のために不適切な販売が正当化される風潮があったことや、不適切な販売の実態把握につながる現場の声が経営層に届かない組織風土だったことなど、会社の体質やガバナンスの問題を厳しく指摘。問題の根が深いことが明らかになりました。内部調査は依然として完了しておらず、問題の全容が解明されたとは言えません。

会社は保険の販売の際、顧客への説明を録音するなどの再発防止策も明らかにしましたが、来月からの営業活動の再開は難しい状況で、信頼回復に向けた道筋が見通せない厳しい状況になっています。

調べれば調べるほど増え続ける不正の実態。この会見を受け、新聞各紙はどのように報じているのでしょうか?

逃れられないかんぽ生命幹部の経営責任

「かんぽ不正販売 経営責任を曖昧にするな」との強いタイトルで厳しく批判したのは産経新聞。「異常なほど多い不適切販売の蔓延が物語るのは、当たり前の法令順守意識さえ失った組織の病理の根深さである。もっとも、より深刻なのは、不正に対する経営陣の感度の鈍さといえないか」とし、「ここまで厳しい状況に置かれているのだ。郵政グループの経営陣は、もはや責任を曖昧にしたままでは、この事態を乗り切ることができないと認識すべきである」と伝えています。

同じく読売新聞は「顧客本位の営業姿勢を徹底するには、一から出直す覚悟が必要だ」とし、「企業統治(ガバナンス)の欠如は明らかだ。抜本的に改善するには、早期に責任の所在をはっきりさせることが欠かせまい」「日本郵政は、全国で2万を超える郵便局網や国の支えを背景に国民の信頼を得てきた。それを裏切った責任は極めて重い」とこちらも辛辣な意見を述べています。

社説で「経営体制の刷新が急務」としたのは朝日新聞。「不正に関与した職員の責任も重いが、こうした状況を生み出し、放置していた管理職や経営陣の責任は、一層厳しく問われる必要がある」とし、その上で「今年6月末まで重大性を認識していなかったとの釈明を繰り返した現経営陣では、経営の立て直しと信頼回復の任に堪えないのは明らかだ。かんぽ問題を報道してきたNHKの取材手法について、『まるで暴力団』といった見方をするような人物が中枢にいるようでは、再建はおぼつかない」と論じています。

これまでまぐまぐニュースでも、かんぽ生命に対して様々な記事で取り上げてきました。
★「かんぽ生命が教えてくれた未来を破壊する『マネジメントの欠落』」(まぐまぐニュース19.8.25)
★「詫びる気ゼロ。NHKと猿芝居した日本郵政を牛耳る権力者の実名」(まぐまぐニュース19.10.11)

もちろん、かんぽ生命に厳しい目を向けているのはメディアだけではありません。ネット上ではより強い言葉で批判が集中しています。

「お前は寄生虫だ」。ノルマ未達者には激しい恫喝指導が繰り返されたことが明らかになったかんぽ生命。朝礼など他の社員がいる場でののしられ、その場で泣きだす女性社員もいたといいます。想像を絶するような実態が判明したことで、ネット上で厳しい声が挙がっています。

かんぽ生命に向けられる怒り声

image by:Shutterstock

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け