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暑さのせい?ナショジオ賞写真家がインドで見た「猫型ロボット」

インドの街角には思わず二度見してしまうほどのおかしなイラストがたくさんある、というのは一部のインド通の間ではよく知られる話ですが、確かにその破壊力たるや凄まじいものがあるようです。今回の無料メルマガ『素顔のアジア(たびそら・写真編)』では、著者でナショナルジオグラフィック写真賞作家の三井昌志さんが、インドの街角で出会ったインパクト強すぎなイラストや、オリジナリティ溢れるキャラクターを紹介しています。

インドのドラえもんが雑すぎる

インドの小学校には、子供たちを楽しませるために壁に人気キャラクターを描いていることが多い。中でもドラえもんとミッキーマウスは二大巨頭だが、著作権に配慮したのか、それとも単に描いた人の腕の問題なのか、このドラえもんはちょっとヘンだ。右上の女の子(しずかちゃん?)がカッパみたいだし、左下のジャイアンはすごく優しそうな顔だ。
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町の壁や商店のシャッターに人気キャラの絵を描くというのは、インドやバングラデシュでよく見かけるものなのだが、フリーハンドでいきなり描いているので、ペンキ屋(画家)の力量がそのまま反映されてしまうようだ。

mitsui_0121_2 このドラえもんの完成度もなかなかのものだ。ヘタウマと言っていいのかわからないが、上手い下手を突き抜けたいわく言い難い味が出ている。後ろに乗っているのは赤ちゃんドラえもんだろうか?

mitsui_0121_3プレスクール(幼稚園)の壁に描かれていた絵はよく描けていたけど、おおぜいの人の前で下手な歌を披露するというジャイアン的精神を持ったドラえもんのようだ。
「ミッキーマウス」と「ドラえもん」という二大人気キャラクターの夢の競演。ミッキーはまだマシだが、隣のドラえもんはあまりにもテキトーだ。何を見て描いたらこうなるんだろう?

インドの小学生の通学カバンには人気キャラクターが描かれたものが多い。アナ雪、ドラえもん、スパイダーマン。下段には「PUMA」と共に「PYMO」という謎のロゴが。イラストもなんか微妙に違う。プーマって昔からパクりの対象になっていましたね。

インドでは「こんなものを買う人がいるんだろうか?」と首をかしげたくなるようなガラクタを路上で売っている。これは子供のオモチャだが、ゴミ箱から拾ってきたかのような汚れっぷりだ。あぁ、ピカチュウもあんな姿に!

闘え!! チキンマン 

インドのオリジナルキャラとして僕が密かに注目してきたのが「チキンマン」だ。「チキンを食べてマッチョになろう!」が合言葉の鶏肉キャラクターで、マッチョなボディーと鶏化した頭が融合したキメラ的造形が特徴だ。

僕が初めてチキンマンに出会ったのは2007年。それ以来、様々なパターンのチキンマンを撮ってきたが、悲しいことに年々その数は減っていて、今では絶滅危惧種だ。手描きの濃いタッチのイラストも、その迫力が減りつつあるのが悲しい現状だ。頑張れ、チキンマン!闘え、チキンマン!
これが2007年、最初に出会ったチキンマンだ。独特のタッチの絵は映画看板を彷彿とさせるし、青いパンツからは鶏のマスクを被ったプロレスラーの存在を感じさせる。

マッチョ化が進みすぎて、もはや人間とは思えない体つきになったチキンマン。最初から人間じゃなくて半人半鶏だから、これでもいいのか。 

頭だけじゃなく足まで鶏になっているパターンもある。

 チキンマンならぬチキンウーマンが現れた。このトサカからするとオスの鶏の頭部と、女性の体が合体。しかも鶏料理を調理中というシュールさだ。

今回は家族3羽を連れてきました。妻と娘二人です。どうぞよろしく。

謎の半鶏人「チキンマン」の出生の秘密がついに明らかに。彼は卵から生まれてくるのだ。しかも赤ん坊(ヒナ?)の頃からすでにマッチョ。こんな怪人が「キン肉マン」に登場していたような気がしないでもないが。

というわけで、もはや絶滅危惧種となったチキンマンの看板を見かけた方はぜひご一報ください。

これまでの経験から、チキンマンは南インド(タミルナドゥ州、アンドラプラデシュ州)に集中しているようです。鶏肉屋の前を通りかかったら、ぜひチェックしてみてください。

image by: MASASHI MITSUI

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【著者】 三井昌志 【発行周期】 ほぼ 週刊

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