現代社会を生きる私たちにとって、スマホはもはや必要不可欠なツールと言っても過言ではありませんが、使用にあたってはルール設定も重要のようです。今回、無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』の著者・パピーいしがみさんに寄せられたのは、スマホ依存に悩む若いお母さんからの相談。「母親がスマホ依存だと子供は不幸になる」というニュースを目にし頭を抱える彼女に、いしがみさんはどのようなアドバイスを送ったのでしょうか。
スマホ依存を止めたい
こんばんは。パピーいしがみです。
さて今日のメルマガは「スマホ依存を止めたい」としました。スマホ依存というと子供や学生に多いとお考えの方が多いと思いますが、実は若いお母さんも少なくありません。今日は、スマホに関して頂いたご相談の内容を紹介したいと思います。
いつもお世話になっています。HOSHIと申します。
4歳の一人娘がいます。とても消極的で子供園でも仲の良い友達がおりません。私に甘えたりすることもないし1人で静かに遊んでいます。
ですがこの子がこのままでいいとは思わないし、私が娘をこんな風にさせてしまったと悔やんでいます。というのは、私はスマホに依存してしまっていて、ご飯の時も、子供はテレビを見ながら、私はスマホを見ながら食べています。旦那は朝が早いので朝食はとらず、帰りも遅いので夕食も作り置きを温め、テレビやスマホを見ながら食べています。
もともと私も旦那もおしゃべりな方ではなく、自分から会話を切り出す事が苦手でした。そんな私たちにはスマホはとても便利なツールでした。連絡する必要がある時にはラインを使えばいいですし、暇な時には好きな芸能人のインスタグラムやフェイスブックを見たり、好きなユーチューブで楽しい時間が過ごせます。
ですが子供が4歳になった今、子供が他の子とコミュニケーションが取れない子になっている事が分かりました。それも私が気づいたのではなく、園の先生に「〇ちゃんは、あまり自分から話をしたりしないのですが、ご家庭でもそうですか?」と聞かれたことからでした。「話しかければお返事はしてくれます。でも感情をあまり表さない、表情が乏しいことが気になるのですが何か理由がありますか?」と。
私は私のスマホ依存に「このままではよくない」とは思っていたのですが、自分を変えることができずにここまで来てしまいました。自分を変えたいと思ってパピーさんの講座の勉強を始めてみたのですが、先日「母親がスマホ依存だと子供は不幸になる」とのネットニュースを読んで、今さら遅いのか?と目の前が真っ暗になりました。
すぐにでも私のスマホ依存を直さなければならないと思います。でも私自身、スマホが近くに無いと不安になってしまうのです。何とかスマホ依存を直したいと思って「スマホ依存 直し方」等で検索するのですが、続けられるとは思えない厳しいものばかりです。スマホと決別する、いい方法をご存じでしたら教えていただきたいのですが…
という内容のご相談でした。
HOSHIさんはスマホ依存…と言われていましたが、お話を詳しくお聞きしてみると、仕事中、運転中にはスマホを触っていない…という事が分かりました。とすると「触ってはいけない時間」と、ご自分で認識ができている時には触らずにいられる、という事です。
なので私はこんな風にお返事しました。
HOSHIさん、こんにちは。パピーいしがみです。お返事、読ませて頂きました。
どうやら仕事中・運転中にはスマホを触らないことができるみたいですね。だとしたら心配するほど深刻なスマホ依存ではないと思いますよ(^^)HOSHIさんはスマホを使ってはいけない時には、ちゃんと自制ができている状態にあります。
ただどうでしょう?「スマホを使ってもいい時間」と「使ってはいけない時間」が曖昧になってはいないでしょうか?仕事をしている時、運転している時ってご自分の中でも「スマホを使ってはいけない時間」だとしっかりご認識なさっていますよね。
でも子供と一緒にいる時間はどちらでしょうね?子供と一緒にいる時間は「スマホを使ってもいい時間」でしょうか「使ってはいけない時間」でしょうか?そう聞かれると判断に迷いますよね(^^)
私がスマホって怖いな、って思うのは、スマホで動画を見ている時や、楽しい情報を探している時って「あっという間に時間が過ぎてしまう」事だと思うのですね。「ちょっと見るだけ」と思っても、気が付いたら10分、20分と過ぎていた…なんてことはざらにあります。このようにあっという間に時間が過ぎてしまう事で、子供からの要求や、子供の重大な変化も「そこに気づけない」という事になってしまいます。
HOSHIさんから頂いたメールにこうありましたね。
“子供が他の子とコミュニケーションが取れない子になっている事が分かりました”
“それも私が気づいたのではなく、園の先生に「〇ちゃんはあまり自分から話をしたりしないのですが、ご家庭でもそうですか?」と聞かれたことからでした”
そう。問題はスマホ云々よりも「娘さんの変化に気づけなかった」という事だと思うのです。でも、今、それに気づかれたのですから、何より「娘さんとの関りを増やす」ことを始めてほしいと思うのですね。娘さんもまだ4歳ですから、親の関り方で大きく変わると思います。「今さら遅い」のではなく「今、気づけて良かった♪」のです。ですから、まずはできることから始めてみてほしいです。
例えば食事。今、食事は子供はテレビを見ながら。親はスマホを見ながら…と書かれていました。食事の時間は、落ち着いて会話をするには絶好の時間です。ですからまずは食事の時間だけ。テレビも切って、スマホも置いて、お話をしながら食べるようにしてみたらどうでしょう?
それができたら夕食後など10分~15分程度で結構ですから子供と一緒に遊ぶ時間を作ってみるようにしてみたり、寝る前に絵本の時間を作ってみたり…少しずつ関わる時間を増やしてほしいのですね。
HOSHIさんも、又、ご主人も、あまりおしゃべりな方ではなかったと書かれていましたね。とするときっと娘さんも、あまり自分から話をする子ではないと思うのです。もともとお話が得意ではない子が、話をする機会を失えば、よけいに話をしなくなるのは予想できます。なので是非、関り(特に会話)を増やすことから始めてほしいのです。
もちろん子供と関わる時間は、とても大切で「スマホを触ってはいけない時間」です。でも最初から完璧を目指すと挫折してしまいますから、最初は「この時だけ」と時間を区切って、スマホに邪魔させない子供との時間を作ることをなさってください。まずは食事時だけ、とすれば15分~30分を1日2回(幼稚園に行っている時)だけでいいのです。
スマホを止める、決別する、と考えるととても難しいと思いますが、今、「決別する」のではなく「上手に付き合う」ように考えを変えたらどうかな?と思いますがいかがでしょうか?
このお返事をした1週間後ぐらいに、HOSHIさんからお返事を頂きました。
そこにはこう書かれていました。
パピーさん、先日はスマホ依存の事で悩みを聞いて下さり、ありがとうございました。厳しく叱られるかも?と考えていたので、お返事を見てほっとしました。又、「スマホ依存ではないですよ」「4歳ならまだ大丈夫」と言われて心からホッとしました。そして食事の時間だけ。1日2回と教えていただいて、それならできそうに思えました。すぐに試してみました。
食事中はテレビもスマホを置いて会話をするように心がけたのですが…(恥ずかしいのですが)何を話していいのかわからないのです。娘もしゃべらないし、私もしゃべらない。食事の時間が苦痛にさえ感じました。その時、スマホがあれば気がまぎれるのに…と思っている自分がいました。私はこうやっていつも逃げてきたんですね。ちゃんと子供に向き合っていない事に気づかされた思いでした。
どうしたらいいのかな?と何日か考えていたのですが「お手伝いをしてもらったらどうだろう?」と思い、食事の後に「お皿洗うの手伝ってくれる?」と言ってみました。娘は「いいよ」と言って手伝ってくれましたが、これが意外に楽しかったようで食事のたびに「お手伝いする」と言ってくれます。
私も「ありがとう。助かるな~」と言えて、少しだけ会話が増えてきたと思います。
食事の時にテレビとスマホを止めることができたので、今、お風呂に入る前にちょっと遊びで関わることをしています。娘は1人でシルバニアファミリーで遊ぶことが好きなのですが、これですと延々と一人で遊べてしまうので、親の出番が必要な「アイロンビーズ」を始めました。ビーズで好きな形に作ってそれをアイロンの熱で接着させるのですが「ママ、アイロンでギュってやって!」と頼まれると私も嬉しくなります。
こうやって「〇〇して」という言葉も、だんだん言わなくなったのは私がスマホばっかり見て、子供の相手もしなくなったからだろうと思います。「今、気づけて良かった」その気持ちをもって、これから関りを増やしていきます!
以上はコロナ前の事でしたが、このコロナで子供園も休園。HOSHIさんも自宅待機になって、子供と一緒にいる時間が増えました。自粛期間は一緒に洗濯物を畳んだり、一緒にお菓子作りをしたり、一緒にサンドイッチを作ったり…と、「一緒に何かをする」ことを増やされて、娘さんの表情がとても豊かになってきた、とご報告を頂きました。それと同時に、HOSHIさんのスマホ使用頻度もかなり減っているみたいです。
以前、このメルマガでも『ママのスマホになりたい』という絵本があることをお話したかと思います。その絵本の内容は、幼稚園の男の子が幼稚園で「大きくなったら何になりたいですか?」と聞かれて答えた言葉で、なかなか自分を見てくれないお母さんに対して「僕を見て!僕に関心を持ってほしい!」との思いを物語にしたものでしたが、それが多くのお母さんに刺さり、口コミで広がったものでした。
子供たちは、お母さんの事をとてもよく見ています。そしてお母さんの様子を見ながら、不安になってしまうことは珍しくありません。ちょっとドキッとされた方は、是非、振り返ってみてくださいね(^^)
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