勢力を弱めることなく日本に近づいている台風10号。毎年豪雨や台風などの被害が拡大しつつある災害大国の日本で、下町ベンチャーが「台風発電」に挑戦しています。しかも、近く商用機の販売を目指しており、日本をエネルギー大国に押し上げるかもしれないというのです。メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』の著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、若手ベンチャー企業経営者の熱き挑戦について紹介しています。
プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき) 国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
夢の「台風発電」で災害大国日本はエネルギー大国に生まれ変わる
わが国で進む「台風」の研究
ぶっちゃけ、このところ日本を襲う台風は数も規模も急増中だ。各地で被害が拡大している。 実は、すでにわが国には20年以上も前に「台風を消滅させる技術」を開発し、特許も取得している企業がある。大阪発の元祖ベンチャー企業で、今では世界的な評価を得ている素材メーカーであるが、実際に台風を消滅させるには膨大な費用がかかり、ビジネスとしては成り立っていない。
墨田区の下町ベンチャーが「台風発電」に挑戦中
その一方で、東京都墨田区の新たな下町ベンチャーが「台風発電」に挑戦している。これまた世界初となる「垂直軸型マグナス風力発電機」の開発に日夜取り組んでいるのである。
何しろ、国土交通省の試算では「台風1つで日本の電力需要を50年分賄うエネルギーを秘めている」とのこと。原発などに依存しなくとも、資源に乏しい日本にとってはもってこいのエネルギー源になる可能性があるわけだ。
このベンチャーを率いるのは清水敦史(あつし)氏。若きエンジニアだ。
かつては産業用センサー機器の大手企業でセンサーの開発に従事していたが、東日本大震災を機に、再生エネルギーの必要性に目覚め、風力、なかでも台風に着目し、2014年に「チャレナジー」というベンチャー企業を立ち上げた。
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従来のプロペラではなく、円筒を気流の中で自転させたときに発生する「マグナス力」で動く発電機を発明。台風が1番多く押し寄せる沖縄に実験機を設置し、実証実験を繰り返している。
風速80メートルでも壊れないように設計された発電機でデータを集め、下町テクノロジーの代表的存在の浜野製作所とも連携し、商用機の販売にたどり着くのが目標という。
地震よりもすごい「台風エネルギー」
とにかく台風のエネルギーは膨大で、地震の比ではない。この台風の力を一部でも取り入れることができれば、大きな自然再生エネルギーの宝庫に日本を変えることができるはず。 東京オリンピックでも、こうした台風に象徴される風力発電で開発したエネルギーを使って運営すれば、世界が日本を見る目も変わるに違いない。
台風のお陰で日本は「風力発電のスーパーパワー」に変身できるかも知れない。そんな夢に向かって日夜努力を重ねる下町ベンチャーに、今、世界が注目している。 (『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』より一部抜粋)
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