新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年も残すところ2ヶ月あまり。私たちにはそろそろ「アフターコロナの世界」を生き延びるための準備が必要のようです。コロナ後の社会は「テクノロジーに精通していればいるほど有利に生きられる」と説くのは、メルマガ『鈴木傾城のダークネス・メルマガ編』の著者で作家の鈴木傾城さん。リモートワークの普及によって高齢者だけでなく、PCに触れる機会が減ったスマホ世代の若年層まで淘汰される未来を予測しています。
「非接触」がニューノーマルになることが決定した
コロナと共生する社会、あるいはコロナ以後の社会では、「非接触」が新常態(ニューノーマル)となる。仕事も、日常も、すべて「非接触」が意識されるようになり、それが優先されるということだ。
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テレワーク、ウェブ会議、リモート、クラウドの流れを見ても分かる通り、この「非接触」はインターネットとテクノロジーによって支えられる。
これはどういうことか。
コロナとの共存が新常態になる今、これから有利になる人間と不利になる人間が分かれるとすれば、それはインターネットのテクノロジーにどれだけ精通しているかで決まるということだ。
今までも社会はインターネット第一主義に向かっていた。コロナはそれを加速させた。そのため、これからも産業のすべてはインターネットを重要視することになる。「インターネット優先」は息をするかのように当たり前になる。
もちろん、リアルな付き合いや接触がゼロになるわけではない。実店舗が消えてなくなるというのもあり得ない。
しかし、多くはインターネットにシフトする。ショッピングにしても、ネットショッピングが大多数を占めるようになり、そちらが優先される。中古売買も、フリーマーケットも、オークションも、すべてはインターネット優先だ。
今後、教育に関しても「授業」などはオンライン授業が優先されるような時代になるかもしれない。「非接触」がニューノーマルになるなら、それは別に奇異なことではない。
すべての産業でインターネット優先になっている
巨大企業イオンはスーパー事業の利益は「ほぼゼロ」である。実店舗を抱えるデパートや巨大ショッピングモールの売上はどんどん減少している。インターネットに客を取られてしまっているのである。
何度も言うが、実店舗がゼロになるというのは絶対に現実的な話ではないが、今までのように店舗を拡張することが難しくなる。
わざわざ感染のリスクを冒さなくてもインターネットで欲しい商品が検索でき、比較でき、便利に早くモノが買える以上、実店舗に出かけて感染するリスクを負うのは馬鹿げている。
そして、インターネットで買い物をするようになっていくと、人々は決済をインターネット上でするわけで、キャッシュレスは必然的に進んでいく。
そうなると、紙幣やら小銭やらを持ち歩いて、いちいちそれを数えながら買い物をする面倒臭さや非効率に気付くようになっていき、実社会でもスマートフォンで決済する動きが加速していく。
そもそも、物理的な紙幣や小銭は見知らぬ他人から受け取るものである。「非接触」がニューノーマルとすると、「見も知らぬ不特定多数の他人がベタベタと触りまくってきた紙幣を持ちたくない」と思う人も増えていくはずだ。
そうであれば、紙幣や小銭を使わない方向にシフトすることになるのは必然であるとも言える。そうなると、銀行は紙幣や小銭を数える人間がいらなくなっていくわけで、そんな社員を抱えている銀行ほど経営不振に陥っていくことになる。
キャッシュレスを支えるのも、インターネットとテクノロジーである。当然、「非接触」の決済を提供する企業である企業は次の時代の寵児となる。
すべての分野で「非接触」に向かってパラダイムシフトが起きている。そういう時代に入っていく。
テクノロジーに精通していればいるほど有利に生きられる
そうであれば、これから有利になる人間と不利になる人間の分かれ目がどこになるのかが自ずと明確になっていくのが分かるはずだ。今後は、インターネットのテクノロジーにどれだけ精通しているかで人生が変わってくるのである。
テクノロジーに精通しているというのは、スマートフォンのOSや環境やテクノロジーの意味も含めて理解しているということであり、それが今の時代に求められていることなのである。
最近、リモートワークが急激に進む中で、スマートフォンばかりでPC(パソコン)をまったく触ったことがない若年層は一気に不利な社会と化してしまった。
パソコンのOSの挙動が理解できず、さらにはキーボードのブラインドタッチもできない若年層もいるのである。スマートフォン時代になって、逆にテクノロジーの根幹に疎遠になってしまったと見ることもできる。
「もうパソコンは時代遅れの産物なのだから、そんなものは覚える必要はない」というのはまったくの誤解だった。そもそもスマートフォンのアプリの開発はパソコンで行われている。
今後、よりスマートフォンやタブレットのOSが進化したら、いずれタブレットでプログラミングをする人も出てくるのは間違いない。しかし、まだまだこうした「重い作業」はパソコンが担っているので、業務の中では、ウィンドウズもマックもリナックスも廃れない。
テクノロジーに精通するというのは、どういうことか。パソコンからスマートフォンまでを網羅して、その概念が頭に入っていて実際に使いこなせるということに他ならない。
これからの時代はインターネットの重要性がもっと高まるので、テクノロジーに精通していればいるほど有利に生きられることになるのは必然なのである。
テクノロジーの世界に深く潜り込んで生きろ
日本人はアナログにこだわる。もちろんアナログの魅力があるのは知っているが、日本を次世代に生き残らせるためには、アナログに固執していたら困るのである。まして、「非接触」がニューノーマルとなる時代では特にそうだ。
日本はコロナ以後も進化していかなければならない。そのために「一刻も早くテクノロジー最優先、インターネット最優先」の社会に作り上げるのが理に適っている。「非接触」をテクノロジーで実現していく。
そして、それをするためには、すべての日本人がひとつの確固とした方向にブレずに突き進む必要がある。
それが「テクノロジーに精通する民族になる」という方向だ。
日本は資源もなければ軍事力もなければ外交力もない。あるのは、民度の高い国民性である。そうであれば、日本は国を上げてテクノロジーに精通した民族になることで生き残るのが最も合理的な方向である。
日本がテクノロジー民族になれるかどうかは分からないが、たとえ日本がそうなれなくても、せめて自分だけはそうなっておけるように努力する必要がある。コロナ以後の世界では、さらにインターネットの支配が強まる。
そんな時代になっているのであれば、テクノロジーに理解のない人間よりも理解のある人間の方が圧倒的に有利になるというのは100%間違い。
はっきり言えば、これからテクノロジーが分かっていなければ世の中で何が起きているのか、まったく理解できなくなってしまう。未来も読めなくなってしまう。
もはや道に迷っている場合ではない。これからは全身全力でテクノロジーの世界に飛び込んでいくべきだ。私も覚悟を決めて飛び込んでいる。
これから私はテクノロジーの世界に深く潜り込んで生きたい。それが、次の時代をしたたかに生き残るための唯一絶対の方向性であることを理解したからだ。したたかに生き残りたいのであれば、日本人はみんなそうすべきだ。
新刊情報:『ボトム・オブ・ジャパン(日本のどん底)』
この記事の著者・鈴木傾城さんの新著『ボトム・オブ・ジャパン(日本のどん底)』(刊:集広舎)が出版されました。社会のどん底では、いま何が起きているのか。「普通の生活」はちょっとしたきっかけで瞬く間に崩れ去り、抜け出せない「貧困」という地獄に落ちるという恐怖が実例で生々しく綴られています。あなたは日本のどん底をのぞく勇気がありますか? ぜひお手にとってご覧ください。
『ボトム・オブ・ジャパン(日本のどん底)』
(著:鈴木傾城/刊:集広舎)
1. ネットカフェで暮らすデリヘル嬢 2. 漫画喫茶で子どもを産み捨てる女 3. ぎりぎりホームレスではないが… 4. シングルマザー風俗嬢 5. シェアハウスで友達を殺害してバラバラに 6. 社会接点がなくなった「引きこもり」たち 7. ホームレスを「メシの種」にする人々 …すべて、実例です。
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