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「日本人の給料は今の3倍が妥当」武田教授がこの国の成長を信じるワケ

ハンコを廃止するしないで揉め、いまだにFAXでリリースが送られてくるような「IT後進国」日本。私たち日本人は、このまま遅れをとって世界の「新時代」の生活から取り残されてしまうのでしょうか? 中部大学教授の武田邦彦さんは、自身のメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の中で、日本が米中にITで追い抜かれた歴史を振り返りながら、それでも日本には素晴らしい生活が待っていると断言しています。キーワードは、「現代化」です。

 

アメリカ・中国に遅れを取った日本。私たちを救うカギは「現代化」にあり

1990年に日本が「これからは環境の時代」と言って分別リサイクルとか嘘だったダイオキシン騒動に翻弄されている頃、アメリカでは、ヤフー、グーグル、アマゾンが創業し、次いでスマホ、GPSなど現在の私たちの生活に欠かせない電子ソフトが次々と生まれた。さらに今ではネット、テレビなどがなければ正確な情報すら得られず、この「まぐまぐ」で貴重な情報に接することもできるようになった。

1990年に日本人がそれに気が付いていれば、端的に言うと、現在の給料は3倍になっていたと計算される。というのは電子関係のビジネスに重きを置いたアメリカ、中国の給料はこの30年間に3倍以上になっているからだ。当時、日本は携帯電話にせよ、電子機器などで世界のトップを走っていたからである。

でも、方向を間違って悲観的になった。「もう技術はない」などという人が多かったからだ。

しかし、これから日本人の生活も給料も良くなっていく。その一例が先回紹介した「ドーム都市」だが、リサイクルのような「後ろ向き」のことで環境を改善しようとするのではなく、新しい技術を活用して自然との共存を図った方がはるかに優れているのだ。

新時代のことを知るカギは、電子(IT)が進歩しているのにまだ旧態依然とした私たちの生活を「現代化」することだろう。

必要のないストレスから放たれ、よりよい生活を作る「IT技術」

第一に「個人認証(顔、指紋など)」の技術を活かして、お金なし、カードなし、自動支払い、切符なし、家の鍵なし、自動車の盗難なし、忘れ物なし、スマホ忘れなし、銀行預金通帳なし、役所の書類なし、印鑑なし、キーボードなし、いつでもニュース、泥棒なし、火事なし、暴漢なしなどの人生にすることだ。

私たちの人生はストレスに満ちているが、その中で仕方のないストレスと、ストレスが生じないような生活にすればよいものがある。IT(5G)は通信速度や記憶容量などが変わるので、現実的にそれができるようになる。

個人認証は、すでにパソコンなどには常備されていて、私のパソコンもまったく暗証番号などを使わなくてよい。家の玄関のカギを無くすというストレスもなくなる。財布や預金通帳が無いから、お金を落としたりすることがない。家の玄関のカギに自分だけが登録をしておいて、自分が外出している時に家族が来て玄関を開けなければならない時には、スマホから玄関のカギに通信すれば開く。

家の中の様子は外出先でも見ることができ、泥棒が入れば警告が鳴り、自動的に警察に届けが行くし、火災が起きれば自動的に消火装置が働く。

何も考えずにブラっと外出できるし、あらかじめ自分で「ここまでは自由に使える」「これを超えたら超節約」というポイントをスマホに登録しておけば、使いすぎることもない。電車もタクシーも自動的に支払われるし、一杯飲む時も飲みすぎない。ともかく、自分が好きなこと、好きなものをしても安心して生活することができる。

それとともに、もともと必要がなく、単に利権で行っている分別、リサイクル、節約、温暖化ガス規制、メタボ規制、マスク着用などもなくなるので実に気楽だ。

第二段階としては、「人流、物流」が変わるだろう。

ポイントになるのは自動運転タクシーだ。タクシーの料金の75%が人件費だから、簡単に言うとタクシーの値段は今の4分の1になる。新幹線を利用した長距離の移動は別だが、短い距離なら「電車の料金とタクシーの料金がそれほど変わらない」ということになる。そうなるとわざわざ駅まで歩いて階段を上り、ホームで待って満員電車に乗るなどということはなくなる。さらに、運転が趣味の場合は別だが、必要があって移動する時には自家用車を買って移動するより自動運転タクシーの方がはるかに安くつく。

外出したい時にはスマホで呼ぶと近くの自動運転タクシーが家の前に来る。個人認証ができるから、タクシーのドアは自分が近づくと開き、乗ると自動的に目的地に行く。

実は、標準的な使い方をした自家用車はとてつもなく高い。400万円で買った車を10年乗り、3年ごとに車検を受け、整備をし、1週間に一度タクシーで行けば1万円ほどの距離を動いたとすると、もちろんタクシーの方がずっと安い。それが自動運転タクシーの場合、さらに現在の4分の1になり、かつ自分の車のように便利なのだから、まさにバラ色の人生になるだろう。(メルマガより一部抜粋)

image by:Shutterstock.com

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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【著者】 武田邦彦 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

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