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【話題書】『ニュースをネットで読むと「バカ」になる』をニュースサイトが読んでみた

自らが主宰するニュースサイト「NO BORDER」や「ニューズオプエド」の活動にくわえ、まぐまぐ!からもメルマガ「上杉隆の東京脱力メールマガジン」を発行されている上杉隆氏が、先ほど一冊の本を上梓された。タイトルはズバリ『ニュースをネットで読むと「バカ」になる』

当サイトも一応ニュースサイトなわけで、今この記事を読まれてる方のなかにも、そのストレートすぎるタイトルにドキリとされた方が多いのではないだろうか。

今や大隆盛時代を迎えているニュースサイトから、まとめサイトやバイラルメディアといった新しめのものまで、現在のネットメディアがいま抱えている問題点に、鋭く斬り込んでいく本書。

「従軍慰安婦問題の検証報道」や「元兵庫県議会議員の号泣会見」といった、昨年大いに話題となったニュースも取りあげつつ、危機的なまでに劣化しているという日本のジャーナリズムの現状に関しても、紙幅が大いに割かれている。

上杉氏自身、ネットやSNSが日本のジャーナリズムを大きく変えるのでは・・・と期待していた時期があったものの、その後の状況に対して失望、そして絶望の寸前である、と告白するだけあって、その指摘や批判にまったく遠慮も容赦もない。

後半部分では、日本に真のジャーナリズムを根付かせる方法、そして受け取り手である我々が、どのようにしてニュースを取り扱えばよいのかが語られる。上杉氏は各個人のメディアリテラシーを高めるための方法として、具体的な方法をいくつか挙げているが、そのうちのひとつが、なんと“(紙の)新聞を読むこと”であるという。

既成の新聞メディアについては、この本のなかでも散々批判していたのに・・・と、思わずツッコミを入れたくなるトコロだが、上杉氏曰く、他の情報ツールと比べ、新聞のほうが、紙面を広げることで政治面、経済面、社会面、スポーツ面など、多彩なトピックに触れることができ、情報を総合的に捉えられやすいという点で、ネットメディアなどと比べてまだ優位性がある、とのこと。

この批判すべき対象であるはずの紙の新聞のほうが、現状では優位であるという逆説的な状態こそ、日本のジャーナリズムがまさに危機的状況にあることを、何よりも象徴しているのかもしれない。

 『ニュースをネットで読むと「バカ」になる』
上杉隆
KKベストセラーズ
1404円

information
「上杉隆の東京脱力メールマガジン」
「NO BORDER」
「ニューズオプエド」 

(まぐまぐニュース編集部)

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