4日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。リスクオンのムードは一服し、株安を手がかりとしたドル買いの見通し。ただ、明日発表の米雇用統計の内容を見極めようと、積極的な買いは手控えられそうだ。
米バイデン政権による新型コロナウイルス救済法案への期待感が続くなか、長期金利と株価の上昇を手がかりにドル買い基調に振れている。また、ワクチンの購入資金としてドルの需要も、ドル上昇の背景。一方、豪政府は米ファイザー社製のコロナ向けワクチンの追加購入を決めた。それを受け同国内での今後の供給期待から豪ドルいに振れ、本日アジア市場の序盤は欧州やオセアニアの通貨が買われ、ドルは失速した。その後は欧米市場での株安観測が広がり、ドルはリスクオフの買いで持ち直している。
この後の海外市場でも、欧州やオセアニアの主要通貨の値動きが注視される。英国でのコロナ感染まん延は一服したもようだが、英中銀金融政策委員会(MPC)は緩和的な政策方針を維持するとみられ、引き続きドル選好地合いに振れやすい。一方、本日発表の米新規失業保険申請件数は前回を下回るか注目される。今週のISM製造業雇用指数やADP雇用統計に続き今晩の申請件数が改善すれば、明日の雇用統計への期待が高まりそうだ。ただ、米国株の上昇一服でドルは上昇を維持するものの、一段の買いには慎重とみる。
【今日の欧米市場の予定】
・18:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告
・18:30 英・1月建設業PMI(予想:52.8、12月:54.6)
・19:00 ユーロ圏・12月小売売上高(前月比予想:+2.5%、11月:-6.1%)
・21:00 英中銀が政策金利発表(0.10%に据え置き予想)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:83.0万件、前回:84.7万件)
・22:30 米・10-12月期非農業部門労働生産性(前期比年率予想:-3.0%、7-9月期:+4.6%)
・24:00 米・12月製造業受注(前月比予想:+0.7%、11月:+1.0%)
・24:00 米・12月耐久財受注改定値(前月比予想:+0.2%、速報値:+0.2%)
・03:00 カプラン米ダラス連銀総裁オンライン討論会参加
・04:00 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁パネル討論会参加