本日のマザーズ指数は大幅に反落した。週明けから前日までの米株市場は追加経済対策への期待に支えられながらも、長期金利の高止まりを警戒して景気敏感株の買いとハイテク・グロース株売りの流れが強まった。前日の23日は、半期に一度の上院議会証言にてパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が強力な金融緩和を続ける方針を改めて強調したことで、取引後半から急速に下げ渋ったものの、総じてハイテク株安が目立った。こうした長期金利の動向を警戒した米ハイテク・グロース株安の流れを受けて、割高感の強い成長株が集まるマザーズ指数も下落してのスタートとなった。東証1部でも、半導体やFA関連などのハイテク株のほかエムスリーといったグロース株を含めた人気主力級銘柄が総じて5%を超える大幅下落となり、こうしたことも個人投資家心理を悪化させ、マザーズ指数の下押し圧力に繋がったとみられる。後場に入って、日銀の上場投資信託(ETF)買いが本日も見送られたとの観測を受けたことで日経平均の下落幅が拡がると、個人投資家センチメントも一層悪化し、マザーズ指数は大引けまで下げ足を速める展開となり、4%安の大幅下落となった。なお、マザーズ指数は前日比54.91ポイント安の1219.71ポイントと大幅反落、売買代金は概算で2224.54億円。騰落数は値上がり銘柄数88、値下がり銘柄数240、変わらずが16となった。
個別では、国内証券が投資判断を格下げしたことが嫌気されて時価総額上位のBASEが15%安と値下がり率トップになった。そのほか、時価総額上位では、22日に3月11日付けで東証1部に市場変更すると発表し大幅高となっていたラクスや、JTOWERが揃って7%安と大きく売りに押されたほか、ワクチン開発の遅れが嫌気されたアンジェス、AIinsideなども大幅安になった。また、フリーや弁護士ドットコムも大きく下落した。直近IPOでは、半導体レーザー技術のスタートアップ企業として注目度が高いQDレーザも売りに押され、売買代金トップで13%安となった。そのほか、直近IPOのWACULが値下がり率2位にランクインし、フリークHD、KaizenPFなどが下落率上位に顔を出した。一方、値ごろ感から短期の値幅取りの資金が向かったと思われる和心が16%高のストップ高で値上がり率トップに躍り出た。また、傘下のファンドを通じて、洗車やコーティングのプロショップ「Beautiful Cars」をブランドとする株式会社ホワイトシード(秋田市)へ投資すると発表した識学が8%高と急伸し、AI関連株に物色が広がったことを背景にサイジニアも10%高と大きく上昇した。そのほか、緊急事態宣言が一部解除され、GoToトラベルも再開の見通しが立てられたことが好感されたベルトラは14%の大幅高となり、ワクチン接種開始による将来的な需要回復を見越してHANATOURや247、アルーも値上がり率上位に顔を出した。
マザーズ指数は大幅反落、米長期金利高受けたグロース売り地合いに押される、値下がり率トップはBASE
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