河野太郎デジタル相は恒例の就任記者会見を延期した。無意味な深夜会見で官僚やマスコミを待たせるのは本意でないと、自身から働き方改革の模範を見せた形となりました。(『 海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記 海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記 』栗原将)
働き方改革を地で行く河野大臣の就任会見先送り
岸田改造内閣の中で、今回、自分の目に留まったのが河野太郎デジタル大臣が、慣例となっている就任当日の深夜の記者会見を止めて、先送りした事でした。
かねてから、そうするべき、みたいな発言をされていたので、決してサプライズではないですが、評価できる事だと感じています。
霞が関官僚の流出は当たり前
霞が関官僚の民間流出は、当たり前すぎることです。
流出が止まらない、といった報道を見る機会が増えていますが、個人的には当たり前すぎるというだけです。
恒常的な深夜残業、とりわけ国会対応、答弁案作成は作業開始が深夜からで、職場に朝まではザラ、といった過酷すぎる環境なのに、残業代がフルに出る訳ではないですし、有能な若い人にとって、生産的な業務ならまだしも、答弁作りみたいな事で帰宅もできない生活が続くのは、現代では受入がたくて当然でしょう。
東大法を出た官僚で、マッキンゼー等に転職したら、勤務自体は過酷でも年収は数年経てば数千万円以上とか、あるいはゴールドマンサックスなど投資銀行なら1億円以上だって全然夢ではありません。
そちらに流れるのは当然ですね。
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昭和とは変わった仕事の価値感
昭和と違うののです。過酷だけど、長期的には埋め合わせされたが現代では許されない
昭和の官僚を描いた小説で描かれているのは、仕事を終えた官僚が、赤坂の料亭で常連として飲んでいるものですが、公務員のポケットマネーで通える所ではありません。
では、どうなっているのかと言えば、政治家とか大スポンサーがいて、支払いは一切なかったのですね。
現在では許されない事ですが、当時はまだおおらかな時代でしたから、フツーだったのです。
天下りもできない官僚
あとは、最近では退職後の天下りにも、厳しい目が向けられるようになってきましたが、昭和の時代にはフツーの事でした。
この天下りにより、現役時代の大量のサービス残業と(民間一流企業に比べたら)安い給料の埋め合わせをしてきたのですが、今や、それもままならなくなった。
こうなっては、リスクリターン比で考えて自明な事で、霞が関官僚の流出はますます増えるでしょう。
『
海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記
海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記
』(2022年8月11日号)より
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による