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LINE、7〜9月期の営業利益18.8%増 パフォーマンス型広告の伸びが成長けん引


2017年12月期第3四半期ハイライト

出澤剛氏:LINEの出澤です。本日は、LINE株式会社2017年12月期第3四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。さっそく私から、当第3四半期の概況をご説明申し上げます。

当第3四半期においても、引き続き広告の売上が、連結売上収益の成長を牽引しました。パフォーマンス型広告は、新規広告商品の導入やターゲティング精度向上などにより、9月の日本国内のタイムライン・LINE NEWSの平均広告単価が500円を超え、大幅な増収となりました。

メッセンジャー型広告においては、オフィシャルアカウントやLINE@等のアカウントサービスが順調に成長しております。

コミュニケーションサービスでは、クリエイターズスタンプの売上が好調で、引き続き安定した収益を確保しました。

ゲームは新規サービスをリリースするとともに、スタジオ単位での体制とすることで、開発力強化を図っております。

スマートポータル戦略については、LINE Payのグローバルでの決済高が継続して上昇しております。当第3四半期より本格的にスタートしたLINEショッピング・LINEデリマ事業も、想定を上回る順調な滑り出しを見せています。

また、LINE LIVE、LINE NEWSなどのコンテンツサービスが好調を維持しております。加えて、従来のNEWSタブを進化させたコンテンツポータルを導入したことで、LINEからさまざまなコンテンツに手軽にアクセスできるようになりました。

ポストスマートフォン時代に向けたAI事業については、10月5日よりスマートスピーカー「Clova WAVE」の正式発売を開始しております。

月間アクティブユーザー(MAU)|主要4ヵ国

当第3四半期におけるMAUは、主要4ヵ国において1億6,800万人、グローバルMAUは2億300万人となりました。DAU/MAU比率も74パーセントと、引き続き高い水準を維持しています。

売上収益及び営業利益

次に、連結の売上収益および営業利益についてご報告します。

当第3四半期における連結売上収益は425億円、前年同期比18.4パーセント増加いたしました。

連結営業利益は59億円、前年同期比18.8パーセント増加し、営業利益率は13.6パーセントとなりました。海外売上比率は26パーセントとなっております。

広告

続いて、サービスごとのご説明に移ります。

広告サービスについては、パフォーマンス型広告・メッセンジャー型広告ともに好調なペースで売上収益を拡大し、ポータル広告も安定して推移した結果、当第3四半期における売上高は204億円、前年同期比40.9パーセント上昇いたしました。

とくにパフォーマンス型広告は前年同期比112.0パーセント増、前四半期比38.7パーセント増と、引き続き大きな伸びを見せております。

広告|パフォーマンス型広告の進捗

パフォーマンス型広告の進捗についてご説明いたします。

インプレッション数は順調に拡大し、当第3四半期において約160億インプレッション数を達成いたしました。

また、世代・性別などのカテゴリではなく、個々のユーザー単位での分析によりターゲティング精度を向上させたことや、First View、Look a Likeなどの高単価広告商品を導入したことにより、9月の国内CPMは平均で500円を超えました。

第4四半期以降は、9月より広告配信を開始したLINE LIVEに加え、10月からはLINEマンガやLINE BLOGなどのファミリーサービス上での広告配信面の拡大を進めております。

プロダクトにおいては、タイムラインの広告クリエイティブ改善、およびLINE NEWSへの動画広告の導入を11月より開始するなど、高度化を続けていきます。

最後に、営業面においては、ブランド広告主、動画広告主の獲得や西日本での営業強化、および海外での顧客基盤の拡大を図ってまいります。

コミュニケーション/コンテンツ

次に、コミュニケーションおよびコンテンツに関してご報告いたします。

当第3四半期におけるコミュニケーションサービスの売上は75億円、前年同期比3.7パーセントの増加となりました。

日本以外の主要国でもローカルで人気のあるIPとの提携を拡大し、ミュージックスタンプ等の新商品を投入することで、ユーザーの新たな需要を呼び起こしております。

コンテンツサービスにおいては、ゲーム以外のコンテンツサービスの売上は引き続き拡大したものの、ゲームの売上が減少したことにより、売上収益は99億円となりました。

9月にリリースした「LINE BLEACH」は、配信開始から6日で30万ダウンロードを記録し、第4四半期にリリースを予定している「ディスティニーチャイルド」も、事前登録者数は100万人を見込める状況となっております。その他にもカジュアルタイトルで人気を博した「ポコパン」シリーズの新規タイトルの投入を予定しています。

その他

最後にその他サービスの売上収益は、前年同期比38.2パーセント増加し、47億円となりました。

LINE FRIENDS事業は、ニューヨークのタイムズスクエアへの出店による売上増加、およびライセンスビジネスなどにより、好調に進捗しています。

また、LINE Payのグローバルでの決済取引高の総額は、前四半期に増加した台湾での決済が一過性の影響に終わらずさらに拡大し、当第3四半期も1,000億円を超えました。

スマートポータルの進捗

次に、スマートポータルの進捗についてご報告します。

LINEマンガはコンテンツポータルにマンガタブを加え、LINEアプリからの誘導を強化したことにより、さらなるユーザー増加を実現いたしました。

LINE MUSICはフリートライアル施策により、新規の利用登録者数が増加いたしました。継続的にご利用いただけるよう、各種施策を実施してまいります。

またLINE MUSICはAIアシスタント「Clova」の基本機能として組み込まれていることから、「Clova WAVE」を通じてLINE MUSICの利用者数の拡大も見込んでおります。

LINEショッピングは、6月15日のサービス提供開始から110日で会員登録者数が1,000万人を突破いたしました。リピート率が45パーセント以上と、予想を上回る非常に高い結果が出ております。

今後はマーケティング強化、ファッション以外の商品への分野拡充、商品の比較検索等の機能充実などを進める予定です。

LINEデリマにおいても、7月26日のサービス提供開始から50日で会員登録数が150万人を超え、好調な出だしとなりました。まずは機能拡充にフォーカスし、優良フランチャイズ企業との提携により加盟店を充実させることで、事業拡大を目指してまいります。

LINE NEWSは安定的にページビューが増加しており、11月から動画広告も開始する予定です。LINE LIVEはLINE本体でのインラインビューワー導入により、MAUが増加しました。

動画配信者の7割が10代であり、若年層から大きな支持を受けています。今後は、これまでLINE LIVEアプリでしかできなかった動画配信者へのスタンプやメッセージの送信をLINEからシームレスに行えるように変更し、よりエンゲージメントの高い動画プラットフォームを目指してまいります。

クラウドAIプラットフォーム「Clova」

10月5日より、AIアシスタント「Clova WAVE」の販売を開始いたしました。今年の冬には携帯性に優れ、かつ親しみやすいビジュアルの「Clova Champ」を発売いたします。

これによりユーザー層のさらなる広がりと、AIアシスタント「Clova」の生活への浸透を図ります。「Clova」はユーザーが実際に利用することでデータを蓄積しながら、日々機能向上を続けています。またLINEメッセージの送信・読み上げ等、LINEにしか提供できないサービスで他社との差別化を図ってまいります。

今後多くのコンテンツサービスパートナーや、デバイスパートナーとのエコシステムを構築し、AIプラットフォームの拡張を進めてまいります。

以上をもちまして、当第3四半期の概況を終わります。続きまして、CFOの黄より当第3四半期の業績の紹介をご説明申し上げます。

2017年12月期第3四半期連結業績

黄仁埈氏:CFOの黄(ファン)です。それでは私から当第3四半期業績についてご紹介いたします。

2017年12月期第3四半期の連結営業収益は430億円となりました。営業外収益を除く売上収益は425億円、前年同期比18.4パーセント増、前四半期比6.9パーセント増となりました。

各サービスごとの当第3四半期売上収益の内訳ですが、広告の売上収益は204億円、前年同期比40.9パーセント増、前四半期比16.6パーセント増となりました。

コミュニケーションの売上収益は75億円、前年同期比3.7%増、前年同期比0.3パーセント減となりました。

コンテンツの売上収益は99億円、前年同期比8.3パーセント減、前四半期比2.0パーセント減となりました。

その他の売上収益は47億円、前年同期比38.2パーセント増、前年同期比1.6パーセント増となりました。

営業費用

当第3四半期の営業費用は前年同期比19.3パーセント増、前四半期比3.6パーセント増の372億円となりました。

まず従業員報酬およびマーケティング費用を除く営業費用の変動についてご説明いたします。

認証及びその他のサービス費用は前年同期比で81.7パーセント、前四半期比で13.1パーセント増加しました。認証及びその他のサービス費用のうち、LINEモバイルの契約者数増加に伴うインフラ関連コストがおよそ20パーセントを占めています。

またLINE NEWSサービス拡大に伴うコンテンツ関連費用も増加しました。その他の営業外費用は前年同期比で34.9パーセント。前四半期比で5.8パーセント増加しました。

この増加は、主に近畿IDC増設やClova WAVEやLINE FRIENDSの製造原価が発生することに伴うものです。

従業員報酬費用及びマーケティング費用

従業員報酬費用は新規付与したストックオプション、ESOPプランの費用計上が始まった影響に加え、ネクストフロア社買収による人員数の増加により、前年同期比で10.5パーセント、前四半期比で13.1パーセント増加しました。またグローバルにおける正社員数は4,000人を超えております。

マーケティング費用は、LINE NEWSや「Clova」のテレビCMを実施しましたが、前年同期比で9.3パーセント、前四半期比で33.8パーセント減少しました。

営業利益及び四半期純利益

これにより当第3四半期の営業利益は59億円、営業利益率は13.6パーセント。四半期純利益は16.3億円となりました。私からの説明は以上です。

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