ビジネスパーソンにとって、文書作成は切っても切れない大切なスキル。そのわりに、仕事における文章の技術を、誰かにきちんと教わった経験のある方は少ないのではないでしょうか?
今回は、社内や取引先とのやり取りで明日から使える「伝わる仕事の文章術」のポイントを、ベストセラー『図で考える人は仕事ができる』の著者で、多摩大学経営情報学部教授の久恒啓一氏に教えていただきました。もちろん分かりやすい図解つき!
知らないと損!恋愛と仕事、相手の心をつかむ方法のちがい
仕事の文章は、簡・明・短・薄!
短くてわかりやすい文章でラブレターを書かれても、ちょっとしらけてしまいますね。仕事とその手の類の文章では、当然、相手の心をつかむポイントが変わってきます。
今回ご紹介するのは、仕事における文章の技術です。仕事には様々な文章(文書)が必要です。文章は、簡潔でわかりやすく、意思を明瞭に伝えるものが望ましいですね。
いい文章をひと言でいえば、「簡にして明」なのです。
正確で間違っていないことは当たり前ですが、まず「わかりやすさ」が必要です。
これには、相手に文章の要旨を正確に伝えるため、簡潔で文意がはっきりしている文章がいいですね。
誤解のない伝達、誇張した表現のない内容。こうした「簡」にして「明」な文章が望ましいのです。
また、短い文章で、相手がすぐに読めるような文章もいい。これは、「短」と言われる文章のあり方です。また、「薄」であることもいい。1枚でまとめたいところです。
図解:「大切なことを書くのに紙が1枚あればいい」
つまり、わかりやすく、いい文章とは「簡」「明」「短」「薄」と表現されるような形式を備えた文章ということができます。
Next: 心も大事!ビジネス文書における「口説き方」のルールって?
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文章と箇条書きを中心とするコミュニケーションは、組織の生産性を3割ほどもダウンさせているのではないか。こういった観点から私は過去20年にわたって、「図解コミュニケーション」という考え方を提唱して活動を続けてまいりました。図解コミュニケーションの核心は、理解力や伝達力の向上以上に「考える力」の獲得にあります。企画力、構想力、思考力を鍛えることが個人にとっても組織にとっても喫緊の課題です。受講者との交流を大事にしながら、図解コミュニケーションの達人を数多く輩出していく場にしたいと念願しています。
ビジネス文書における「口説き方」のルール
そして、もう1つ欠かせない点があります。それは、相手にこちらの気持ちを伝え、相手の心をヒットするような要素。「心」です。
これは相手の心を打つ「心意気」とでも呼べる側面で、言い換えれば「説得力」の問題です。
たいがい、ここの部分でいい文章と悪い文章に分かれます。相手の心をつかもうとすることばかり考えると、先の4つのキーワード(簡・明・短・薄)からはずれた文章になってしまうからです。
仕事の文章では、心を打つ必要はありません。相手が知りたいこと、相手が気がついていないことを明確に知らせることが大事です。
つまり、美辞麗句を並べ立てたり、相手に対するおべんちゃらを言ったりすることなどではなく、お互いの立場を尊重した公正な内容をベースとしつつ、自己の考えや主張を気持ちを込めて訴えることです。
これまで自分が書いてきた文章(文書)を見直してみましょう。
誤解される文章、意味がわからない文章、誇張して内容がない文章、それら悪い文章は、たいてい、先の4つのキーワード(簡・明・短・薄)からはずれていることがわかるはずです。
相手がどんな人物なのかよく見きわめて
このことを踏まえた上で、説得するための工夫をしましょう。相手がどのような立場や地位にあるか、また、見識を備えている人物かを見きわめ、胸元めがけて気合いのこもった速球をきちんと投げ込むことができるかどうかなのです。
『久恒啓一メールマガジン 図解達人への道』(2015年11月12日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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