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日銀総裁による談話はタイミングとしてはベスト

[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;21377.87;+234.91
TOPIX;1527.61;+16.74

[後場の投資戦略]

 週末の米国市場では、NYダウが一時1000ドルを超す下落をみせていたが、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が緊急の声明を発表し、「景気を下支えするために適切に行動する」と述べて、追加の利下げの可能性を示唆したことで下落幅を縮めている。この流れを受けて日銀の動向が注目されていたが、効果は別として日銀の黒田総裁による談話が伝えられたことは、タイミングとしてはベストであった。

 なお、日銀の黒田総裁は、「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保につとめていく」との談話を発表した。先週の波乱展開から軒並み急落を余儀なくされていたこともあり、下へのバイアスを弱める格好となっている。

 また、個人主体による中小型株については、先週の急落によって強制ロスカットとする動き等もみられていたが、成長期待の大きい銘柄などへは、中長期目線での押し目買いも意識されやすい水準でもあった。押し目買いを意識しやすい水準からの日銀の後押しは、個人のセンチメントにもポジティブに作用した格好だろう。

 また、先週はリスクパリティ戦略の巨大な資金による機械的な株式の売却が話題となっていたが、ヘッジファンドのVIX指数先物の差引き建玉はピーク時から半減程度まで一気に減少している。そのため、リスクパリティ戦略に伴う機械的な株式の売却についてもピークアウトした可能性も意識されやすく、楽観視は出来ないもののマーケット全体も次第に落ち着きを取り戻す動きがみられてきそうだ。

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