16日のドル・円は東京市場では105円74銭から106円57銭まで反発。欧米市場でドルは106円68銭から一時105円15銭まで下落したが、105円96銭で取引終了。
本日17日のドル・円は、106円を挟んだ水準で推移か。米国株式の大幅反落を嫌ってリスク選好的なドル買いは抑制される可能性がある。
16日のニューヨーク市場では、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に深刻な影響を及ぼすとの懸念が再び強まり、リスク資産を圧縮する動きが観測された。米連邦準備制度理事会(FRB)は、15日に臨時会合を開催し100ベーシスポイント(1ポイント)の緊急利下げを決めたものの、株式などのリスク資産から安全資産とされる米国債への投資家の資金シフトは続いているようだ。市場関係者の間からは、「FRBを含めて各国中央銀行は危機対応の体制に転換しているが、市場が本当に求めているのは新型コロナウイルスの感染拡大を抑制し、できるだけ早い時期に感染拡大が終息することである」の声が聞かれている。
金融危機への対応としては妥当との見方が多いものの、根本的な解決策ではないことから、金利引き下げや市場流動性を維持しても金融市場の不確実性が低下することは期待できないようだ。ただし、各国中央銀行による取り組みがなければ、金融市場は著しく混乱する可能性があるため、各国中央銀行は現行の危機対応モードを当面維持することを余儀なくされそうだ。