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RSテクノ Research Memo(6):M&A効果や徳州市からの出資金、リース資産の計上等により総資産が大きく増加

■RS Technologiesの業績動向

3. 財務状況と経営指標
2019年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比12,043百万円増加の48,634百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が7,276百万円、たな卸資産が528百万円それぞれ増加した一方で、売上債権が911百万円減少した。固定資産では子会社の山東RSで新工場の建設を進めており、建設仮勘定が3,578百万円増加したこと、IFRS第16号の適用により在外連結子会社にかかるリース資産2,154百万円を計上したこと、DG Technologiesの子会社化に伴い、のれんを502百万円計上したことなどが増加要因となっている。

負債合計は前期末比5,199百万円増加の12,652百万円となった。流動負債で1年内返済予定の長期借入金が411百万円増加したほか、未払金が359百万円、リース債務が317百万円、未払費用が391百万円それぞれ増加した。固定負債では長期借入金が384百万円、リース債務が1,116百万円それぞれ増加した。また、純資産は前期末比6,843百万円増加の35,981百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が2,907百万円増加したほか、山東RSへの徳州市からの出資を主因として、非支配株主持分が4,139百万円増加した。

経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は前期末の49.6%から42.7%に低下し、有利子負債比率は15.5%から17.5%に上昇している。自己資本比率の低下については、非支配株主持分が山東RSへの出資に伴い前期末の10,973百万円から15,113百万円と大きく増加したことや、IFRS第16号の適用によるリース資産の計上が主因となっている。有利子負債比率は20%以下と低水準で手元キャッシュも潤沢なことから、財務の健全性は維持しているものと判断される。また収益性に関しては、ROE、ROA、売上高営業利益率ともに低下したが、売上高営業利益率は10%以上を維持しており、中期的に見れば今後も高い収益性を維持できるものと予想される。

キャッシュ・フローの動きについて見ると、2019年12月期は営業活動による資金の増加が9,015百万円となり、前期の2,669百万円から大幅に増加した。税金等調整前当期純利益は前期比で1,397百万円減少したものの、中国子会社における補助金受取額が3,072百万円増加したこと、法人税等の支払額が820百万円減少したことなどが主な増加要因となった。投資活動による資金の減少は6,107百万円となった。有形固定資産の取得で3,407百万円、無形固定資産の取得で1,401百万円、DG Technologiesの株式取得で627百万円をそれぞれ支出した。財務活動による資金の増加は4,206百万円となった。被支配株主からの払い込みによる収入3,455百万円と借入金の調達が主な増加要因となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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