■株主還元策
学研ホールディングスは株主還元を経営の重要課題と位置付け、配当による還元と株主優待制度を導入している。配当の目安については特に定めていないが、安定的配当と成長分野への積極投資による利益拡大とをバランスよく実施し、株主価値の持続的向上の実現を目指している。
2020年4月1日付で1:4の株式分割を実施しており、2020年9月期の1株当たり配当金は実質3期連続増配となる20.0円(期末配当10.0円)を予定している。同社は子育て世代の個人株主を増やしたい意向を持っており、個人でも購入しやすい水準まで引き下げることが株式分割の狙いと思われる。
なお、株主優待制度の内容についても今回、内容の拡充を発表している。毎年9月末の株主に対して優待カタログ掲載の同社グループ発行の雑誌、書籍、ムック、キャラクターグッズなどから、希望商品を保有株数に応じて贈呈しているが、400株以上の株主に対しては同社ショッピングサイトで利用可能なクーポンも選択肢として加え、より幅広い商品から選択できるようにした。また、1,200株以上を3年以上継続保有する株主に対しては長期保有株主優待として、従来、図書カード1,000円分を贈呈していたが、優待内容を拡充することを検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)