日経平均は小反発した。前日の米株式市場では、6月のISM製造業景況指数が好不況の節目となる50ptを上回ったポジティブサプライズがありながらも、新型コロナウイルス感染者数の再拡大が止まらず、アップルの米国内店舗の再閉鎖などネガティブ材料も混在し、主要3指数は高安まちまち。これを受けた日経平均株価は小反発スタートを切ったが、前場からもみ合い展開となった。前引けにかけて、中国政府の景気刺激策への期待感などからアジア市場が強含むと、これに連動する形で日経平均も上げ幅を拡大した。
ただ、午後に入ってからは、東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者が2カ月ぶりに100人を超えたと伝わったことで、国内での感染拡大への懸念が強まり、上げ幅を一気に縮小。その後は、今夜に控える米雇用統計などを見極めたいとする思惑もあり、大引けまで前日終値とほとんど変わらない水準でこう着感を強めた。
大引けの日経平均は前日比24.23円高の22145.96円となった。東証1部の売買高は13億5725万株、売買代金は2兆2366億円だった。セクター別では、陸運業、銀行業、建設業、その他製品、食料品、情報通信業などが上昇率上位となった一方、鉄鋼、ガラス・土石、繊維製品、機械、パルプ・紙、化学などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の34.7%、対して値下がり銘柄は61.9%であった。
個別では、「スイッチ」向け「ニンジャラ」が200万DL突破と発表したガンホーや、20年11月期上半期連結営業利益見通しを前年同期比3.3%増の7.88億円から同29.9%増の9.91億円に上方修正したエスプールが大幅高。サブスク統合プラットフォームが明電舎傘下企業に採用されたと発表したビープラッツ、オムロンヘルスケアと基礎体温記録アプリで連携すると発表したエムティーアイも上昇。また、費用構造改革効果を織り込んで米系証券がレーティングを引き上げたヤマトHD、米食品医薬品局が新型コロナ対象のMN-166臨床試験を承認したと発表したメディシノバも高かった。一方、20年11月期営業利益を前期比30.6%増の7.9億円から「未定」に修正した串カツ田中HDは大きく下落した。
東証1部の売買代金上位では、ソフトバンクG、任天堂、トヨタが大きく上昇し、ソニーや東エレクも、その他のハイテク関連株が軟調な中でもしっかりだった。そのほか、三井住友、みずほFG、リクルートHD、武田、NTTドコモなどが上昇した一方、キーエンス、レーザーテック、SUMCO、GMOクラウドなどは大きく下げた。