遺産相続には3通りの方法があることをご存じでしょうか。そして、その選択においては「被相続人の死亡から3ヶ月以内」というのがキーワードになっています。(『生活マネー ミニ講座』中村宏)
山口県生まれ。大阪市立大学経済学部卒。ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー。個人相談件数は1,500を超える。セミナー講師、新聞や雑誌・Webの記事執筆や取材協力等でも活躍。
遺産相続はマイナスの財産(=借金)にも注目
普通、遺産の相続はプラスの財産のみを想定しますが、遺産にはマイナスの財産もあります。借金のことです。
死亡した親のプラスの財産が1億円、借金が2億円の場合。これを相続してしまうと、差額の借金1億円をかぶることになります。
それが嫌なら…そう、相続放棄をする必要があります。
どれを選ぶか3ヶ月以内に決定を!遺産相続「3つの方法」
相続には3つの方法があります。
<その1:単純承認>
プラスの財産も借金などのマイナスの財産も、すべて相続する方法です。被相続人の死亡から3ヶ月以内に何も手続きをしなければ、単純承認を選択したことになります。
また、3ヶ月以内でも財産の一部を売却してしまった場合、単純承認とみなされます。
<その2:相続放棄>
すべての財産の相続を放棄することです。被相続人の死亡から3ヶ月以内に、家庭裁判所で手続きをする必要があります。
相続人全員でも、1人だけでも、手続きをすることができます。
Next: 最後の方法は相続人全員の同意が必要。「3ヶ月以内」がキーワードに
<その3:限定承認>
プラスの財産も借金なども相続するが、借金などはプラスの財産を限度として責任を負う方法です。被相続人の死亡から3ヶ月以内に、相続人全員で家庭裁判所で手続きをする必要があります。
この手続きは1人だけはNGで、全員が条件です。
手続きを行う「家庭裁判所」は、被相続人(死亡した人)が最後に暮らした住所地の家庭裁判所です。遠くに住んでいる相続人は、これらの手続きをするだけでも結構な負担になります。
「死亡から3ヶ月以内」がキーワード
相続の方法の選択においては、「被相続人の死亡から3ヶ月以内」がひとつのキーワード。
期間があまりないことから、亡くなった人の財産(何がいくらあるか?)を早期に、洗いざらい確定する必要があります。
親が高齢の場合には、財産がどこにどれだけあるのかがわかる資料の用意と、その資料がすでにあれば、家の中のどこにあるかを明確にしておいてもらう必要などがあります。
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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