NTTドコモがサブブランドを新設し、利用データ量20GBで月額3,000円前後のプランを導入する方向で最終調整に入っていると、日本経済新聞の電子版が30日夜遅くに報じ、大きな波紋を呼んでいる。
菅義偉政権による携帯大手への料金引き下げ要請に応じる形で、すでにKDDIとソフトバンクも傘下のサブブランドで20ギガバイトの新プランを発表済み。ただ、そちらはいずれも価格は4,000円前後で、ドコモの新たなサブブランドの方が割安となる模様だ。
またドコモは主力ブランドにおいても、データ大容量プランを軸に価格体系を見直すなど、料金を引き下げる方向で調整しているという。
NTTドコモは報道を否定したものの…
この報道に対し、NTTドコモは1日未明にツイッターでコメントを発表し「当社が発表したものではございません」「決定したものはございません」と、報道の内容を否定している。
【お知らせ】
一部報道機関において、携帯料金の値下げや廉価ブランド導入に関する報道がありましたが、当社が発表したものではございません。様々な検討をしているのは事実ですが、決定したものはございません。
決定した場合には速やかに発表します。
詳しくは⇒https://t.co/RYxK7w2XSE— NTTドコモ (@docomo) November 30, 2020
ところがその後の1日午前、閣議後の記者会見に臨んだ武田良太総務相は、今回のドコモ値下げの報道に対し「国民が(料金負担が)軽減されたと実感できる環境をつくってほしい」とコメント。
さらに「コロナ禍で家計に重くのしかかっている負担を軽減する努力をしてほしい」とも述べ、ドコモの値下げに対して大いに期待を寄せていることを示した。
総務相のコメントにツッコミの声が殺到
多くの人が毎月支払っているスマホ料金の値下げだけに、素直に喜ぶ人も多い今回のニュース。ただそのいっぽうで、武田総務相のコメントに対しては相当数な反発の声があがっている。
ドコモ値下げに期待 武田総務相
政府は民間業者や国民の努力にばかり期待し、テメェらは何もしない。既に国民のほとんどは菅政権には何も期待していない。せめて、もう何もしないでくれ。
ドコモ値下げに期待 負担減の実感を 武田総務相(時事通信)#Yahooニュース https://t.co/JbtOCSrgJ7
— タイジ (@XGum12ItQmjvLBT) December 1, 2020
自分らは痛手を負わず民間に圧力をかけて、仕事をやった感を出して企業の損失を自分の中の手柄にする…ようにしか思えない。
サービスや競争力の低下に繋がらないか試算をして欲しいし、国民をこんな事で釣るなドコモ値下げに期待 負担減の実感を 武田総務相(時事通信) https://t.co/lbGMjuOQs7
— さめざめざ (@telpJUcH4caqdcL) December 1, 2020
まず多いのは「政府は努力を民間業者や国民の努力にばかり強いている」という声。スマホ料金の引き下げは、菅政権による改革の目玉のひとつとして、以前は期待している人も多かったものが、ここに来て「政府自体は全く痛手を負わない改革」「国民をこんな事で釣るな」と、そのカラクリに気づく人が増えているということだろうか。
総務相 ドコモの値下げに期待#Yahooニュースhttps://t.co/7ajltYn534 民間企業への口出しより、NHKの解体民営化をしてほしいよね。しない理由は何なんだ。
— ラプラス999 (@laplaces9) December 1, 2020
政府のやってる事は仕事ではなく脅し どうせならNHKを脅して欲しいな
総務相 ドコモの値下げに期待 2020年12月1日 https://t.co/dW3q3yAB9q
— Naomi (@Naonaothai8) December 1, 2020
また「それよりもNHKをどうにかしろ」という声も根強い。かねてから受信料の是非が問われ、解体・民営化を求める声もあがるNHKだが、現実には受信契約締結に応じない世帯に罰金を強いるような制度が法制化に向けて動き出すなど、多くの有権者の思いとは逆の方向へ進んでいることに、もどかしさを感じている向きは多いようだ。
そして、今回の他社を上回る大幅な値下げ案は、今年12月をめどに実施されるNTTによるドコモの完全子会社化を、政府が認めるにあたってのひとつの条件だったのでは、といった憶測も。
NTTはドコモブランドの値下げでいくのか。この見返りが完全子会社化容認とかだったのかね。
— たつ (@tatsu_r) November 30, 2020
これは遠回しに
「SBやAUの様なおためごかしの案じゃなかったら、ドコモ子会社化の件は不問にしてやる」
という脅しでは?
ドコモ値下げに期待 負担減の実感を―武田総務相:時事ドットコム https://t.co/4hSPp73YPv @jijicomより— tam (@tam_tamarin) December 1, 2020
「ドコモ完全子会社化」に関しては、公正な競争環境が損なわれるとして、他の通信会社から意見書が提出。それを受けて武田総務相は、競争環境の公正性を検証する有識者会議を立ち上げ、その結果を今年度内に取りまとめるとしている。つまり、その有識者会議が恙なく終わるまで、ドコモは総務省に金玉を握られ、その意向には逆らえないのではという見方で、それはそれで大いに問題がありそうだ。
とにかくコロナ渦で苦しむ家計を救う方法は、スマホ料金の値下げだけではないことは確か。総務省をはじめとした政府も、これだけで仕事をしたフリをするのではなく、さらなる有効な手立てを打ち出すことを期待したいものである。
Next: 政府のやってるフリ?「もっと優先してやるべきことがあるはず」
ツイッターの反応
おはようございます
私はこの世に生を受け
『携帯電話』というものを
手に入れて以来25年以上
ずっとdocomoを
使い続けていましたが何の恩恵も得られませんでした…
もう本気で…変えようかなと
思ったらいよいよNTTdocomoが
携帯料金値下げに踏み込んで
くれるそうです今度こそ頼みます pic.twitter.com/lrK0Nhm0qW
— 課長藤森 (@k_fujimori777) November 30, 2020
docomoが値下げと格安ブランドの新設を発表して、各社横並びになってきたけど、主力ブランドの値下げというのは少し期待しちゃうね!
20ギガプランの値下げでどこまで下がるのか?
サブブランドのプランと回線スピードは本家並みで提供されるのか?
ここはめちゃくちゃ気になるところ— ホソP@ガジェット系YouTuber (@kazu_hosop) December 1, 2020
世の中に値段が高いものなんていくらでもある。政府が税金は下げたくないからと、民間で攻撃しやすい相手を見つけ血祭りにし、えいやで価格を下げさせるなら、自由主義経済ではない。大臣が企業を恫喝して言うことを聞かせるのは政治ではない。内容以前にやり方に問題がある。https://t.co/RsLmZ6jRxT
— 小沢一郎(事務所) (@ozawa_jimusho) November 30, 2020
ドコモの値下げに期待って言うけど、民間企業に求めるのはどうなんでしょうか…
ちなみにドコモユーザーの私はドコモのプランとか価格に文句はない。他の携帯会社に比べて高いのかもしれないが、高くても安心して使える方が私はいいな。
— aika (@AiexGene) December 1, 2020
携帯料金値下げは否定しないが、本来ならもっと優先してやるべきことがあるはず。
国民一律現金給付、水道・電気・ガスなどの値下げ、医療従事者の支援、消費税減税などの方が優先順位は上。
不要不急または優先度の低いことで胸を張っても「やってるフリ」PRでしかない。https://t.co/ZsyHPoaYg4— 凡人エリック (@No_Zey_2020) December 1, 2020
使っただけ請求されるスマホ料金よりも、同じ電波繋がりで強制徴収されるNHK受信料のほうをなんとかして欲しいんですけど…
あ、Eテレ様とBS4K様にはお世話になっておりますので半額くらいで…— のちらす@‘18Ninja650沼 (@ntls_220) November 27, 2020
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