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新興市場見通し:IPOラッシュスタート、個人の物色意欲強く好発進に期待

今週の新興市場では、マザーズ指数が下落する一方、日経ジャスダック平均は小幅ながら上昇と高安まちまちとなった。マザーズ指数は週明けの12月7日、日経平均の下落とともに弱含み、1200pt台前半に位置している25日移動平均線や75日移動平均線を大きく割り込んだ。その後は新興IT株にも物色が向かう場面があり一進一退となったが、他市場でソフトバンクグループなどの主力大型株やテーマ株が賑わいを見せるなか、マザーズ売買代金は低調だった。一方、日経ジャスダック平均はテーマ物色の恩恵もあって、週明けの売り一巡後に値を戻した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.4%であったのに対して、マザーズ指数は-2.9%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。

個別では、メルカリが週間で3.3%安、ラクスが同3.6%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調。売買代金上位では従前に株価が大きく上昇していたエヌ・ピー・シーやJストリームに利益確定の売りが出た。また、新株予約券の発行による資金調達を発表したDelta-Fly Pharmaなどが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、フリーが同1.3%高、BASEが同8.4%高と堅調。ともに週末にかけて値を上げたが、BASEはネットショップ開設数が130万ショップを突破したと発表している。また、メディア工房が上昇率トップとなった。ジャスダック主力では出前館が同19.3%高と大きく上昇。米同業のIPOが好調な滑り出しとなり、刺激材料となったようだ。11月既存店売上高が2カ月連続のプラスとなったセリアは同5.0%高。売買代金上位では不二精機の人気が続き、田中化学研究所など環境車関連の銘柄も賑わった。また、極東産機が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、小田原エンジニアリングは利益確定売り優勢で、トミタ電機などが下落率上位に顔を出した。

来週の新興市場では、12月のIPOラッシュがスタートし、新規上場銘柄に関心が集まるだろう。最近のソフトバンクGやテーマ株の賑わいを見ると、個人投資家の物色意欲の強さが窺え、12月IPOは好調な出足となりそうだ。既存の上場銘柄にも投資資金の一部が還流することが期待されるものの、株価指数に直接的な影響のない新規上場銘柄に物色が向かいやすいことから、マザーズ指数は現行水準でのもみ合いが続くとみておきたい。

来週は、12月14日にバルニバービ、システム ディ、セルソース、プレミアアンチエイジング、15日にGA technologies 、ブシロードなどが決算発表を予定している。Pアンチエイジは10月の上場後、初の決算発表となる。システム ディやGA TECHは業績好調が続くか、ブシロードはイベント規制等の影響が和らいでくるか注目したい。

IPO関連では、12月15日のビーイングHD及びスタメンを皮切りに来週12社が新規上場する。新興家電メーカーのバルミューダ(16日)など知名度の高い企業も登場するが、17日には5社が同時上場するなどスケジュールの過密感が強い。公開規模の軽量感から順当に初値を飛ばしてきそうなのは、ビートレンド(17日)やかっこ(17日)といったところか。

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