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リスク選好ムード続き、連日のバブル後の高値を更新【クロージング】

16日の日経平均は大幅続伸。383.60円高の30467.75円(出来高概算14億0970万株)と連日でバブル崩壊後の高値を更新した。新型コロナウイルスワクチンの普及などによる景気回復を期待した動きが継続したほか、時間外取引での米国株価指数先物が上げ幅を拡大しているためリスク選好ムードが高まり、大型株や景気敏感株などを中心に買いが優勢となった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1250を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、銀行が2.86%高と上昇したほか、非鉄金属、海運、その他金融などが上昇。半面、金属製品、輸送用機器、ガラス土石、水産農林が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ、ソフトバンクG、東エレク、エムスリー、リクルートHDが堅調。一方、トヨタ、電通グループ、日東電工、クボタが軟調だった。

15日の米国市場はプレデンツー・デーの祝日で休場だったが、ナイトセッションでの225先物は上昇したほか欧州市場も値を上げており、引き続きリスクオンムードが続いた。世界的にコロナワクチン接種が進められており、経済活動の正常化に伴う景気回復期待が強まっているため、世界の景気敏感株とみなされている日本株への買い意欲が強まった。また、前日同様、ファーストリテが急騰し、初めて10万円の大台を突破するなど指数寄与度の高い銘柄が値を上げる展開が続いた。日経平均は上昇ピッチの速さから買い遅れている向きが多いものの、なかなか調整らしい調整場面も到来しないため、持たざるリスクが芽生え始めているとの指摘も聞かれている。

一方、連日の株価急上昇で高値警戒感は強いのも確かで、値幅や日柄調整局面がいつ来てもおかしくないとも多いほか、日本株はバブルになっているのではないかとの意見もある。ただ、株価指数が史上最高値圏にある米国市場と比べ、日本は1989年の史上最高値(38915円)には届いておらず、相対的な出遅れ感からバブルの気配が窺えるとみるのは時期尚早等も考えられる。ここからさらに株価が上昇するには、企業業績が早くコロナ前の水準までに回復してくるのかがポイントになりそうであり、来期の企業業績がコロナ前の水準を上回るV字回復の様相を呈してくれば、日経平均も一段と上昇に弾みをつけることになりそうだ。当面は利食い売りをこなしながら堅調な展開が続くことが想定されよう。

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