必死の延命工作にも関わらず、舛添氏の命運が尽きつつあるわけですが、そのターニングポイントは、“第三者の厳しい目”佐々木弁護士の記者会見だったと感じています。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)
舛添氏の人選ミスと“ヤメ検”佐々木弁護士が犯した失敗
21日付でついに辞職へ
これまで表向きは追求姿勢ながら、明確に辞任要求をしていなかった自民都連が動き出しました。都と直接関係ない官邸筋、複数の大臣からも辞任示唆のコメントが出されて、完全に外堀が埋められました(かつて国立競技場問題の時に、舛添氏に攻撃された下村さんの怨念含みのコメントには笑ってしまいますが…)。
必死の延命工作にも関わらず、舛添氏の命運が尽きつつあるわけですが、そのターニングポイントは、“第三者の厳しい目”佐々木弁護士の記者会見だったと感じています。
舛添氏のシナリオとしては、
・自民党は次の候補を用意できないであろう。世論はどうでもいいから、なんとかして幕切れにさせよう
・都民、国民の理解はどうでもいいから、自分側の立場で強く出てくれる人に第三者になってもらおう
そう考えたのではないでしょうか。
マスコミと有権者を「やっつけた」記者会見
佐々木弁護士同席の記者会見を生で見ましたが、さすが、ヤメ検だなーと感心しました。事前の調査と突っ込みが甘い記者に対し恫喝口調で言い返して記者を黙らせる。実に一流のヤメ検弁護士だと思います。
でも、この強みが裏目に出たと感じています。この先生の得意技は、“相手をやっつけること”だからです。
検事時代は、被疑者を追いつめて自供に追い込み、裁判で有罪を立証する。刑事弁護人としては、相手側の非を並べる。相手をやっつける能力には素晴らしいものがあります。
それで今回も見事に、マスコミ、そして画面を通して記者会見を見ていた有権者・国民をやっつけた。
検事や弁護人としては、相手をやっつければそれで「ミッションコンプリート」だったのですが、今回は、やっつけられたマスコミと有権者がさらに怒りの炎を上げたのです。
これは、舛添氏の人選ミスでした。
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「フライデー襲撃事件」後のビートたけしを守ったすごいコメント
それで思い出したのは、かなり昔のことですが、ビートたけしさんのフライデー襲撃事件後の母親、さきさんのテレビインタビューでのコメント。
「あんなどうしようもないのは、死刑にでもしてください」と言ったことで、記者は唖然としました。当時、暴力をふるわれたマスコミ側の反応は強烈だったのですが、あの会見で一気に流れが変わってしまいました。「死刑」以上のことはありませんから。
後で、たけしさんがお母さんに「なんであんなひどい事を言ったんだよ」と電話したところ、お母さんは「ああでも言わないと騒ぎがおさまらないでしょ」と答えたそうです。
一流のPRエージェント真っ青の見事な見立て、世論分析でした。
お母さんのさきさんは、あのインタビューの場で息子をやっつけ、結果として守ったのです。
もし佐々木弁護士が舛添氏をやっつけていたら?
たられば論ですが、もし佐々木弁護士が先日の記者会見で「現行の政治資金規制法には抵触しないものの、公私混同は許されるべきではなく猛省すべきだ」と、舛添氏をやっつけていれば、少しは風向きが変わっていたかもしれません。
ところが実際の佐々木弁護士は、「関係者とはどんな人ですか?」という質問に対して「関係者は関係者ですよ!」と答えるなど、メディアと有権者と国民をやっつけてしまった。
でも、これは佐々木弁護士が無能だったからではありません。繰り返しになりますが、佐々木弁護士の本分、強みは相手をやっつけることで、同意や共感を得ることではないのです。刑事被告人が同意しなくても、有罪判決が出れば従わざるを得ません。
柔道家の舛添氏は今回、無理やり抑え込みで事態収拾を図ろうとしましたが、“柔よく剛を制す”を忘れていたのかもしれません。
※太字はMONEY VOICE編集部による
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明るい希望が見いだせないサラリーマン生活から脱却すべく、国内不動産投資から海外投資に目指した40歳独身男が、2012年6月をもってサラリーマンリタイヤ。投資インカムに加え、インターネットビジネスも開始し、タイ バンコクに移住、稼ぎは大きく、生活コストは小さく、ハッピーライフを追求していきます。