日経平均株価の1株利益が現在の1,260円前後から1,400~1,500円に拡大すると想定しています。したがってPERの最高を17倍と考えると日経平均株価の高値は25,500円と予測されます。(『武田甲州の「バフェット流」株式長期投資で悠々自適』)
世界的なリスクオフにはならず、原油の下げ止まりは近い
PER17倍なら日経高値は25,500円
来年の話をすると「鬼が笑う」といいますが、マーケットではときには数年先、10年先までの話をすることもあります。
この時期に来年の話をするのはむしろ遅すぎるくらいかと思います。掻い摘んで要約としてまとめてみました。
- 日経平均株価の高値は25,500円
- 日銀追加緩和
- ドル円為替は125~135円
- 米国利上げは2~4回実施
- 米国株は堅調推移
- 原油安は終息し、年末に向けて徐々に値上がり
- 要注意点は産油国の株売却
やや詳しく言うと、下記のようになります。
日経平均株価の1株利益が現在の1,260円前後から1,400~1,500円に拡大すると想定しています。したがってPERの最高を17倍と考えると日経平均株価の高値は25,500円と予測されます。1株利益(日本企業の純利益)は10~15%成長と考えています。
日経平均株価 月足(SBI証券提供)
米ドル/円 月足(SBI証券提供)
ドル円為替は米国金利上昇(年間で1%程度)を背景に円安になりやすいものと思われます。また規模不明なるも日銀の追加緩和が春先にあると考えています。ということでドル円為替は125~135円で推移すると考えます。
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新興国不安からの資金流出→世界的なリスクオフはない
なお、新興国不安からの資金流出で世界的なリスクオフ=円高になるとはいまのところ考えていません(すでに相当の資金がこれまでに流出しました)。
米国株は原油安の恩恵が家計や企業へ広範囲に広がり企業業績も予想より好調になると推測。株価も比較的堅調に推移すると考えています。
原油価格は先物市場で「原油価格がこれ以上下がる材料」が枯渇してしまいますので、先物市場から下落相場が終焉すると考えています。
原油需要は2016年も拡大、需給は大幅緩和状況が次第に改善されていくことになりそうです。先物主導で大きく戻す場面があるかもしれませんが、全般的には年末に向かって徐々に価格の回復傾向となると考えます。
産油国の株売りに注意
最後に株式市場の要注意点ですが、サウジなど産油国の株売りには注意です。
すでに8~9月の世界的株安局面でサウジが700億ドルの資金を引きあげたことはわかっていますが、折に触れて産油国の株売りが出てくる恐れがあります。株価に直接かかわる重要事項ですので、マーケットの異変には常に備えておきたいものだと思います。
『武田甲州の「バフェット流」株式長期投資で悠々自適』(2015年12月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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