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買い一巡後のこう着がコンセンサス

 3日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、こう着感が強まりそうである。7月31日の米国市場は上昇し、NYダウは114ドル高、ナスダックは157ポイント高だった。新型コロナウイルスの感染拡大で景気や労働市場の回復が停滞し、失業保険補助策も失効する中、追加財政策を巡る交渉が難航しており、合意のめどがたたないことへの失望感から、寄り付き後に下落した。しかし、7月シカゴ購買部協会景気指数が予想外の改善を示したほか、好決算を受けた主要ハイテク株の上昇が下支えとなり引けにかけては大きく上昇に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比160円高の21920円。円相場は1ドル105円70銭台で推移している。

 シカゴ先物にさや寄せする格好から買いが先行することになりそうだ。ただし、買い一巡後は次第にこう着感が強まりやすいだろう。アップルが10%を超える上昇となり、NYダウを押し上げた他は新型コロナウイルス感染症の拡大や米中対立への懸念が重荷となっており、アップルの上昇は先週末にある程度織り込まれていることもあって、反応は限られる可能性もありそうだ。

 また、先週は主要企業の決算が波乱の展開につながったが、特にアドバンテストの今期3割減益見通しによってセンチメントは悪化した。今週も1300社超の決算を控えていることもあり、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすいだろう。そのため、物色は中小型株での良好な決算を発表した企業の一角にとどまり、且つ、日替わり的な売買に向かわせやすいと考えられる。とはいえ、マザーズ指数は7月前半の安値水準まで調整してきており、いったんは自律反発が意識されるものの、950ポイントを割り込んでくるようだと一気に利益確定の流れが強まる可能性は意識しておきたい。

 そのほか、本日は反発が見込まれるため、日銀のETF買い入れは期待しづらいところである。一方で、先週は先物主導での売り仕掛け的な売買が目立ち始めてきている。ETF買い入れによる需給を吸収しての調整意識からリスクムードを窺わせていた。日経平均は200日線を割り込み、6月半ばに付けた安値水準まで下げてきている。いったんはダブルボトム形成が意識されるものの、200日線に上値を抑えられるようだと、戻り待ちの売り圧力が強まる展開を意識しておく必要がありそうだ。

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