12日の日経平均は続落。61.00円安の23558.69円(出来高概算8億5007万株)で取引を終えた。先週末の米国市場は上昇となったが、米国の追加経済対策を巡る不透明感から模様眺めムードの強い相場展開となった。もっとも寄り付き直後に付けた23597.91円を高値に弱含みとなったが、23500円を割り込まずに底堅さが意識された。こう着相場のなかで個人主体の資金はマザーズ銘柄などの中小型株にシフトしており、マザーズ指数は6営業日続伸で連日の年初来高値を更新している。
東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは、ゴム製品、倉庫運輸、海運、ガラス土石、輸送用機器が軟調。半面、空運、水産農林、情報通信、サービス、その他製品がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、ファナック、安川電、第一三共、テルモが冴えない。一方でソフトバンクG、エムスリー、KDDI、武田、三井不が下支えする格好。
日経平均は狭いレンジでのこう着となったが、節目の23500円のほか、同水準に位置する5日線が支持線として意識されており、底堅い展開だった。先物市場ではランチタイムに23480円まで下げる場面がみられたが、その後は下げ幅を縮めており23500円を固める動きだった。東証1部の売買代金は1.7兆円と8月下旬以来の薄商いの中においては、短期筋の仕掛け的な商いも限られていたようである。
明日もこう着感の強い相場展開が続きそうである。米国市場はコロンブスデーの祝日のため債券市場と外為市場が休場となる。株式市場は通常取引をなるが、金融機関の多くは商いが細ることから、大きなトレンドは出難い状況。そのため海外勢のフローは限られるとみられ、物色は個人主体による中小型株に向かいやすいと考えられる。そのほか、翌日にはシティグループやJPモルガン・チェースなどの決算発表が控えているため、これを受けた米国市場の反応を見極めたいところでもある。
物色については、東証1部においてはコア銘柄の一角に資金が集中しやすく、物色の広がりは期待しづらいところ。中小型株についてもマザーズ指数へのインパクトの大きい流動性の高い銘柄のほか、決算や政策等を手掛かりとした個別物色が活発化しそうである。