支持率89.9%。プーチン人気3つの理由とロシア経済3つの不安

 

ロシア国民は、シリア空爆を支持する

さて、CNNの記事には、「プーチンの支持率がさらにあがったのはシリア空爆が原因」だとあります。ロシア国民は、「シリア空爆」をどうとらえているのでしょうか?

テレビを見ていたら、「66%が空爆に賛成」だそうです。私がいろいろな人に聞いても、ほとんどの人が「賛成だ」と答えます。ロシア人は、「アサドは、合法的大統領であり、欧米が反体制派を支持して革命を支持するのは、『内政干渉』ではないか!」と怒っているのです(合法的大統領の依頼で、ロシアが「反体制派」や「イスラム国」を空爆するのは、「国際法に合致している」というのが、ロシアの立場)。

とはいえ、「クリミア併合」時のような熱狂はありません。なんといっても「他の国」ですから。

プーチン人気はつづくか?

最大のネックは、「景気の悪化」です。ロシア経済は今、「3つの要因」で苦しんでいます。

1つは、日欧米の制裁。

2つ目は、原油価格の暴落。(バレル115ドルが50ドルに)

3つ目は、ルーブル暴落(1ドル35ルーブルが70ルーブルに)

いずれも大きな要因です。しかも、この「不況」は、「長つづき」しそうな感じです。理由は、「原油価格低迷長つづきしそう」だから。

今回の原油安は、「シェール革命による供給過剰が原因」といわれています。そして、今年7月に核問題を解決し、欧米と和解したイランが市場に戻ってくれば、原油価格はさらに下がるかもしれない。

そうなると、原油・ガス依存体質のロシア経済は、上向かないのではないでしょうか。

というわけで、プーチン、現在は支持率9割。しかし、不景気長引くことによって、楽ではない時代がやってきそうです。

image by: plavevski / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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