新自由主義の根本的問題
新自由主義的政策を進めていくと、政府の役割は小さくなり、「自由競争」になっていきます。そう、「金儲け競争」です。事実として世界は、「金儲け競争」をしています。
しかし、「金儲け競争」の社会には大きな矛盾があります。1つは、「トップ62人の資産が、下位36億人の資産と同じ」「上位1%の資産は、残り99%の資産を同じ」という事実からもわかるように、「勝ち組より、負け組の方が圧倒的に多い」ということ。月収7,000円以下の人が、世界に14億人以上もいる。こんなシステムが、「正しい」とは、なかなかいえませんね。
「金儲け競争社会」のもう1つの問題。それは、「社会には、金儲け競争に参加できない人がたくさんいる」という事実。たとえば、自衛隊員の皆さんは? 警察官の皆さんは? 消防士の皆さんは? 幼稚園、保育園、学校の先生は? 公務員の皆さんは?
これらの人々は、社会に不可欠でありながら、同時に「金儲け競争」に参加できません。社会を円滑に運営し、発展させていくためには、「金儲け競争に参加できない人々」も、健康で幸せで豊かに暮らしていける環境を整える必要があります。
というわけで、「金儲け競争」と化した今のシステムは、大きな矛盾を抱えているのです。
日本が新しい思想を生み出そう!
というわけで、世界は「マルクス」「ケインズ」「新自由主義」よりもすぐれた「新しい思想」を必要としています。その思想は、米英から出てきそうにありません。フランス人ピケティさんは格差が広がる理由を示しましたが、解決方法は弱いです。中国から新しい思想が出てくる可能性もなさそうです。出てきても、その人は、「共産党の脅威だ!」ということで捕まってしまうでしょう。
可能性があるとしたら、日本なのではないでしょうか? RPEの読者さんは、「世界一優秀」です。是非、世界を救う新しい思想を考えてみてください。
image by: Shutterstock
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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