1月5日の夕方、アパートへ戻り、翌6日は午前9時30分頃に出勤。新年会を終えて午後11時頃に帰宅した。
起訴状では、出勤のためアパートを出た午前8時30分頃から帰宅した午後11時頃までを、犯行時刻としてるわけだ。
もちろん、被告人は犯行時刻について自白したろう。でも自白だけで公訴事実を特定することはできないから、こういうことになる…のかな。
甲3号証も被害者の調書。
甲3号 「(帰宅して)電気を点けようとすると、机の上に光るものが…」
それは携帯電話だった。
被害者は、留守中に彼女(交際女性)が来て置き忘れたのかと、電話してみた。が、彼女は実家にいた。そこで警察に通報…。
甲3号 「何も盗られていない…物色された跡もない…警察官が、彼女の下着は大丈夫ですかと…彼女に確認…数が多くて分からない…おそらく(下着は)なくなっていない…」
警察は、遺留された携帯電話を解析。すると被告人が持ち主と判明し…。なんてこった。
書証の要旨告知が終わり、裁判官が言った。
裁判官 「朝8時30分頃から…被告人がその日、勤務していたのは明らかですので…勤務していれば…」
そういえば、乙3号証にこんな部分があった。
乙3号 「あわてていたため携帯電話を残してしまった」
被告人は勤務を終えてから本件犯行をやり、そしたら被害者が帰宅する気配があり、あわてて焦って掃き出し窓から逃げたのか。
それはともあれ、被告人の勤務時間を除いて犯行時刻を特定するほうが適切だ。
検察官 「はい、おっしゃるとおりです。訴因変更を考えます」
そして…。
検察官 「追起訴が1件…今月までには追起訴を…」
裁判官 「どんな事案ですか」
検察官 「同じ…侵入盗…被害場所は同じです」
被告人宅を家宅捜索したら、女性下着とか出てきて、追及したら本件被害宅から(別の日に?)盗んだと自白…そんなことなのかな。
次回は5月23日(火)10時からと決め、10時18分閉廷。
それから俺は、前述の「母と娘の第2回公判」(10時~11時)へは行かず、1階へ下りて開廷表をメモった。そうして…。
- 新法第3条1項、おそれあり危険運転致傷
- 周到かつ大胆な盗撮
- 妻の親族である17歳女子を、妻子が寝てる隣の部屋で強姦等した事件
- 運転免許取消処分取消請求の本人尋問
- アパートの隣室へ侵入しての強姦
- 万引きの否認
を次々傍聴したのだった。
どれも興味深い事件ばかり。次号でどれをレポートしよう、山口地裁のレポートはどうすんだ、悩む…。
『今井亮一の裁判傍聴バカ一代』 第1497号より一部抜粋
著者/今井亮一
交通違反専門のジャーナリストとして雑誌、書籍、新聞、ラジオ、テレビ等にコメント&執筆。ほぼ毎日裁判所へ通い、空いた時間に警察庁、警視庁、東京地検などで行政文書の開示請求。週に4回届く詳細な裁判傍聴記は、「もしも」の時に役立つこと請け合いです。しかも月額108円!
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