中国メディアの今日頭条は先日、中国高速鉄道史を振り返る記事を掲載し、「中国は外国の技術をだまし取りゆっくり消化、その結果CRH380系と呼ばれる高鉄が存在するようになった」とし、その結果、「この『魔の手』により中国は高速鉄道輸出戦略において50年の歴史を持つ日本を打ち破る力を身に着けるようになった」と、まったく悪びれる様子もなく記事は説明しているそうです。
● 中国高速鉄道の発展史…「外国の技術をだまし取りゆっくり消化」=中国
とはいえ、日本側の計画書は日本の建設技術を前提としたものですから、たとえ案としてパクったとしても、実現の段になって技術力の違う中国がそのままできるはずもありません。
また、着工が遅れている原因として、インドネシア中国高速鉄道社が運輸省に提出した書類に公用語のインドネシア語や英語以外に中国語表記のものがいくつも含まれており、現地の担当官が読めない、という笑い話のような「書類問題」があるとも報じられています。
しかも、いまになって「中国側がインドネシア政府の債務保証を求めている」という話まで持ち上がっていて、インドネシア国民は衝撃を受けているようです。政府の債務保証がないことが、中国案に決めた理由だったわけですから。
● 「日本案のほうがよかった」との声も…インドネシア高速鉄道計画、問題噴出で大混乱
このアメリカでの中国高速鉄道の計画中止のニュースに対して、インドネシアの鉄道関係者からは、「早期に中止を決定できて羨ましい。中国は机上の空論的な調子の良い話が多い」という嘆き節が漏れているようです。
● アメリカでの中国高速鉄道中止―決断でき羨ましい・インドネシア鉄道関係者
加えて、インドネシアでは早くも「日本案のほうがよかった」という声が上がり、実際、インドネシア政府はインドネシア・ジャワの横断鉄道は日本に建設要請する予定だということが、日経新聞の取材で明らかになっています。
東南アジアでは他にも、今年3月末、タイが中国と合意していた高速鉄道建設計画について、中国から借款を受けずに自己資金で、そして一部区間の工事は自国企業が行い、残りの区間については延期すると発表しました。事実上の合意白紙化です。