日本語の表記は、他の言語に比べて「正書法」が厳密でないと言われています。漢字、平仮名、片仮名とあって、「鶏」「にわとり」「ニワトリ」とどれで表記しても構いません。ニュアンスが違う気もしますし、違わない時もあります。外来語のように、一般には片仮名でしか表記しないものもありますが、長い間、日本語の中に親しんでしまった結果、「煙草(たばこ・タバコ)」のように漢字や平仮名でも表記できる単語もあります。
日本語の表記はその時々の政策で人工的な手が加わっているものもあります。例えば漢字など、当用漢字、常用漢字と変遷があります。平仮名も明治以前はおおよそ300字ぐらいありました(ひとつの音にいくつもの文字があった)。
そういえば「くりかへし」「使ひ方」というように、「ワ行」の音を「ハ行」の仮名で表していますね。これも歴史的な背景があるのですが、これはこれで話しだすと長いお話になります。え? なぜ「ア行」じゃなくて「ワ行」なんだ? と思いましたか? 素晴らしい。鋭いですね。
「こんにちは」を思い出してもらえたらいいと思います。音では「コンニチワ」ですよね。ワ行なのです。「こんにちは」の「は」は、「ワ」と言うのに「は」の字を使う。これには日本語の変化の歴史が背景にあるのですが、そういうのも踏まえて今の表記があるんだなぁ…ということを感じてもらえたら嬉しいです。
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