キールアーチをやめても1,800億円
安倍総理は17日官邸で記者団に対し、新国立競技場の建設計画を「白紙に戻し、ゼロベースで見直す」と語った。1ヶ月ほど前から検討に着手していて、オリンピックに間に合うことを確認して決断したという。この秋にも競技場の規模や総工費などの条件を決め、デザイン、設計、建築を一体化した国際コンペを行い。来年早々に新たな計画を決定する方針。
これにより、2019年に予定されていたラグビーW杯での競技場使用は不可能となり、オリンピックの会場テストの目的で開かれる予定だったプレ大会も別会場となる。つまり、仮に間に合ったとしてもオリンピックはぶっつけ本番となる公算。
2020年7月開幕予定の東京五輪については、「台風が来たら間に合わない」と言われるようなギリギリのタイミング。
デザイン見直しが遅れた理由は、1つには安倍氏に「民主党時代に決まったデザイン」との思いがあったこと、2つ目には、それが「国際公約」になったと捉えられていたことがあるとの説(*「国際公約」については上記【はじめに】を参照してください)。
デザインを白紙に戻さざるを得なかった理由の1つは、民放のワイドショーなどが「税金の無駄遣い」という切り口で取り上げ初め、「安保関連法案より大変な案件になりかねない」との危機感が官邸に広がったことがある。