またもNHK。歪曲された「マンション新ルール」報道が業界に波紋

 

そもそも、実現可能性がほとんどない建替え論議のために時間とコンサルタント費用を掛けていると、マンションの再生のタイミングを逃してしまいます。さらに、建替え賛成、反対が争った後は、合意形成がより困難になってしまいます。

住戸が余る時代に、良好なコミュニティがあり時代のニーズに合った再生を積極的に行っている団地と、建替え幻想が消えずに、再生に手がつかなかった団地は、市場価値に大きな差が出てしまいます。

「クローズアップ現代+」放送後のセミナーで、「『クローズアップ現代+』を見た方、これからは建替えが2/3でできるようになったと思いましたか?」と聞くと、数人の手が上がりました。やはり、そう思うのです。

建替えが簡単ではないことを具体的に伝えていかなければなりません。建替えコンサルはプランづくりの仕事を受注することが大事で、その後の実現性までは考えてくれません。考えていたら仕事が減ってしまいますから。

一番、分かりやすいのが、これまで建替えできたものがどんなマンションだったかです。建替えマンションの前後を平均で比較すると、住宅数1.84倍、平均専有面積1.29倍、延べ床面積2.75倍です。ですから、ほとんどが、床面積アップで、余分にできた住戸の売却費用で建替えができたもの。しかも、一銭もお金を出さないのに専有部分の面積が増えるという好条件です。そういう好条件のものは、都心の一等地を除いてもうほとんどありません

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