韓国の観光業界も苦境が続いています。韓国の刊行収支は昨年12月から20カ月連続の赤字。つまり韓国に来てカネを使う外国人よりも、海外へ出てカネを使う韓国人のほうが多かったということになります。とくに日本への旅行者が283万人と前年比30%増だということです。
2015年は、日本では訪日外国人観光客が47%の伸びを見せましたが、韓国は6.8%減。それだけに、数が見込める中国人観光客の誘致に躍起となっています。しかし、問題が多発しているようです。
とくに済州島では中国人の犯罪が急増しており、中国人観光客のビザなし入国を廃止する声が高まっています。済州地方警察庁によると、今年に入ってから7月末までで済州島管内で検挙された犯罪外国人347人のうち、その約7割が中国人だったそうです。とくに殺人や強姦などの凶悪犯罪のほとんどが中国人によるものだったとのこと。
中国観光客のマナーの悪さや凶悪犯罪問題については、世界共通の頭痛の種となっていますが、これは5,000年の歴史風土であり、中国政府もお手上げで、独裁専制の強化、徹底以外に手がない状況です。私が中国に工場を持つ友人から聞いた話では、中国人を統率するには自由や人権を認めず、徹底的に力で押さえつけるしかないといいます。
今年上半期に韓国を訪れた中国人観光客は381万人。外国人観光客全体の47%を占めており、韓国の観光産業の中国人観光客への依存度は世界で最高レベルとなっています。タイでも26%、インドネシアやシンガポールは10%程度しかないということです。
これが免税店となるとさらに深刻で、ロッテ免税店ではソウル市内の3店舗の中国人による売上が今年上半期で78%に達しているそうです。こうなると中国人なしでは韓国の観光産業は成り立ちません。
その一方で、韓国では中国人観光客がよくぼったくられており、そうした不親切な対応や衛生状態の悪さが不評を買っています。ツアーでは常に買い物に連れて行かれ、高い物を買わせる。中国では旅行先でひどくぼられる40代以上の女性たちを「ママタン」と呼ばれているようですが、彼女たちを食い物にしているのが韓国の観光業なのです。
だから韓国では中国人観光客のリピート率はわずか2割しかありません。その一方で日本は8割です。