恐怖自体に恐怖を感じてしまう恐怖恐怖症
6. 恐怖症恐怖症(フォボフォビア)
誤字ではありません。
言葉遊びのようにも見えますが、これはある物理的なもの、考え、状況などに恐怖感を抱くことに対して、極端に不安になったりひどく困惑してしまう状況を指します。
フランクリンルーズベルトの名言にも「我々が怖れなければいけない唯一のものは恐怖そのものである」とありましたが、そうしたくなくても恐怖を感じてしまう人も世の中には存在するのです。
これは疾病恐怖症(病気になることへの恐怖感を抱く)や広場恐怖症(広い場所や閉ざされた場所に恐怖を抱く)などと併発する症例が多いようです。
発症するきっかけとしては、人前で恥ずかしい思いをしたり不安発作を起こすことによって、ある状況や環境とリンクされ始めることにあるそう。
ですので、この恐怖症に関しては自身での制御や複製がしやすいものといえそうです。
パニック障害から派生しているともいわれ、他の恐怖症と併発する場合だけでなく、稀にこの恐怖症にいきなりなる症例もあったそうです。
原因は有害生物に対する警戒心と人類の歴史に関係
7. 集合体恐怖症(トライポフォビア)

蓮の実
有名な恐怖症の中のひとつに、集合体恐怖症(トライポフォビア)というものがあります。
これは「多数のものが密集しているもの」に対して恐怖を感じることです。
例えば、穴がたくさん開いている蜂の巣や、蓮の花托などがあります。
「蓮コラ」といわれる画像が2009年頃からネットで話題になるようになり、背筋をゾッとさせた方も多いのではないでしょうか。
その他、苺や魚卵、鳥肌など「つぶつぶしたもの」を見た場合に、度を越えた不快感や嫌悪感を抱く症状も含まれます。
ただ、医療分野では認知されていない恐怖症といわれています。
また、このトライポフォビアの原因に人類の進化が関連しているという興味深い研究がされています。
イギリスにあるエセックス大学によって研究されたトライポフォビアに関する内容が科学ジャーナル『Psychological Science』に掲載されています。
結論としては、「人類が過去に遭遇した有毒生物を警戒する意識が、トライポフォビアの発生原因のひとつではないか」とのことです。
さらに、「危険を警戒するもともとの素質の存在がある」ということ、つまり、有害生物に害を与えられたことがなかったとしても、人類の歴史とDNAに刻まれた素質的な側面から、この恐怖症に陥ってしまう可能性もあるということです。
すなわち、元々は自分自身を守ろうとする心理からこのような恐怖心がうまれたといってもいいでしょう。
さらにに、こういった画像を繰り返し見ているうちに恐怖感が薄れていく人もいるようです。
ちなみに、つい先日文化勲章を贈られた芸術家の草間彌生さんは総合失調症といわれていました。
幼い頃からの幻聴や幻覚から自分を守るため、作品全体に大量の水玉を埋め尽くすように描いてきたともいわれています。
集合体恐怖症の人にとっては彼女の作品にもゾッとするかもしれませんが、展示会に行っているうちに改善していた…なんていう可能性もありそうです。
いかがでしたでしょうか?
それぞれ、恐怖の対象は異なりますが、過去に体験した精神的苦痛やトラウマからこれらの恐怖症が引き起こされる場合が多いとのことでした。
ここで挙げたものは少し奇妙だったり珍しいものでしたが、芸能人で発症している人も意外に多かったですね。
もし皆さんも過度に何かに対して怯えているという状況の場合には、一度専門家に診てもらった方がいいかもしれません。
治療方法には、薬物療法と心理療法があるそうです。
他にもどんな変わった恐怖症があるのだろうと気になった方は、下記恐怖症に関する専門のサイトがありますのでご覧ください。
実際に恐怖症を発症した経験があるアメリカ人が管理しており、「Top100の恐怖症リスト」が記載されています。
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source by: NAVER, Wikipedia, カラダノート, NAVER, 2knowmyself, FearOf.net, 健康+生活, そくにゅー, Phobia Source, Dextrophobia, TrapRadar
文/臼井史佳