元男装アイドルの作家が教える、本当は面白い「哲学」の魅力

2016.12.05
by まぐまぐ編集部
 

人生に意味はなく、不条理なもの。けれど言い訳したらそれっきり

そんな不条理に打ちのめされた時も、心の支えとなったのが哲学書でした。

そもそも人生に意味はない」「辛いことがどれだけあろうとも、自分の足で立ち上がり新しい価値観を創造していかなければならない」というニーチェの教え、どれだけ言い訳したとしても「人生の時間は有限である」というハイデガーの教えは真っ暗な私の心に小さな灯りをともしてくれました。

自分で自分を可哀想がることは簡単だけど、そんな風に悲観にくれている間にもたった一度きりの人生の時間は刻一刻と過ぎていくのです。それならば、私は自分の人生の時間を少しでも大切なものにしたい。

生きていくうえでは不条理なこと、挫折、自分ではどうしようもできない災難に襲われることもあるでしょう。

けれども、人には絶対に逃げられないものが一つだけあります。

それは、自分自身。どれだけ無責任に逃げまどおうが、自分自身からは死ぬまで逃げることができない。言い換えれば、自分の人生を大切にできるのは自分自身しかいないのです。

「死ぬ前にもう一度、リピート再生したいと思える人生をおくることだ」というニーチェの教えがあります。もう一度自分になりたい、ではなく「そっくりそのままリピート再生したい」と思える人生と考えるとハードルが高い。

けれども、そんな人生が送れたらこれほど素晴らしいものはない、と私は思います。

哲学を難しく捉える必要はない、「この考え方は好きかも!」と思うものがあれば、それを自分の足で立つために取り入れていけばいいのです。

「哲学は頭を重くするのではなく、心を軽くするためのものだ」という視点で触れ合っていけばいいと思います。一度きりの人生を後悔なく生きるための、わかりやすい「哲学者の教え」を連載していきます。

次回はついつい思えてしまう「我慢という快楽」について書こうかと思います。

また「Q&A」にも答えていきたいので、みなさんからのお悩みも気軽に受け付けています。

 

著者/原田まりる

作家・コラムニスト・哲学ナビゲーター。1985年2月12日 京都府京都市出身。哲学・性格類型論(エニアグラム)についてのテーマを中心とした執筆活動・企業研修などを行っている。「人生の意味」を追求した実存主義哲学をわかりやすくナビゲートした著書を展開。主な著書は『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド出版)、『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)

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