【書評】孫正義を唸らせた、恋するプレゼン術

 

一応、エッセンスを紹介しておきますが、もうこれは「買い」でいいと思います。
まだ決めかねている人のために、いくつかポイントをご紹介しましょう。

スライドは「5~9枚」でまとめる

本編スライドは、大きく「現状報告」と「提案」の2つのパーツに

テーマを小分けにして、1つひとつ決裁を積み上げることで、着実に「陣地」を広げる戦略が重要なのです

2案を示したほうが「採択率」は上がる!

2案を提案するときには、必ず、方向性は同じだけど細部に違いのある案を提示してください。新商品のテスト販売を行いたいという提案であれば、販売店舗数の「多い」「少ない」の2案を提示する。

テスト販売期間の「長い」「短い」の2案を提示する。テスト販売を行うだけの案と、テスト販売にプラスして新しい販促活動も行う案の2案を提示する。このように、大筋は変わらない2案を提案するのがベストです。そうしておけば、万一、2案とも否決され、再提案する必要が生じても、「テスト販売を行う」ことは承認されるケースが多いでしょう

◆社内プレゼンで絶対に押さえるべき「3つのポイント」
1.「本当に利益を出すのか?」という財務的視点
→必ず押さえなければならないのは、「コスト」と「売上・収益予測」
→決裁者から「コストの計算根拠は?」と質問されたときに、アペンディックスを示しながら説明するとともに、「管理部門にも確認していただいた数字です」と言い添えれば完璧

2.「現場でうまく回るのか?」という実現可能性

3.「経営理念」に合致した提案であるか?

キーメッセージはスライド中央より「やや上」に置く

ポジティブ・メッセージは「青」、ネガティブ・メッセージは「赤」

事業フローはグラデーションで示す

グラフは「左」、メッセージは「右」

「逆L字」で目線を誘導する

折れ線グラフは「角度」をつける

決裁者や参加者にとっては、「確認したい点」や「補足説明を求めたい点」などが出てくるのが当然。その問いかけに適切に応えられるように、本編から落としたデータはすべてアペンディックスとして資料化し、いつでも取り出せるように準備しておく

いかがでしょう? きっと買いたくなったことと思います。

本書にはここまで述べた内容以外に、豊富なビジュアル資料が付いており、こちらを一目見ただけで、著者の資料作りのすごさがわかると思います。

専門家が多いジャンルであり、本書も揶揄される可能性はあると思いますが、ここまで本質を突いた、ムダのない資料作成法には、滅多にお目にかかれないと思います。

ただのマニュアルなのに、ここまで興奮させられるとは。
みなさんも、ぜひ買って読んでみてください。

 
image by:Shutterstock

 

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著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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